富士通新社長に山本常務 「OASYSやPC、携帯の経験生かす」
富士通新社長に、日本語ワープロ「OASYS」や携帯電話、PCなどに広く携わってきた山本正己常務が就任する。
富士通は1月22日、山本正己常務(56)が4月1日付けで社長に昇格する人事を発表した。同日の会見で山本常務は、「富士通を真のグローバルITカンパニーにしたい」と意気込みを述べた。
昨年9月には、野副州旦前社長が病気治療を理由に突然辞任(辞任申し出は「きょう突然」 富士通社長交代)。間塚会長(66)が“ピンチヒッター”として社長を兼任してきた。10月に設立した指名委員会で新社長を検討、「各部門の幅広い経験と知見があり、変革のマインドを持って乗り越えられる人材」(間塚社長兼会長)として、若い山本常務を選んだという。山本常務を支える5人の副社長も選任した。
山本常務は1976年に入社。日本語ワープロ「OASYS」の開発に15年間携わったほか、携帯電話やPCを含む個人向け製品、サーバ・ストレージ関連の責任者を歴任するなど、ハードの設計・開発を手掛けてきた。
「家庭や企業でのIT活用を黎明期から見てきた経験は、クラウドコンピューティングという大きな変化をとげる世界で大いに役立つと自負している」と山本常務は話し、クラウドとユーザーの接点として、携帯電話やPCにも引き続き注力、IAサーバも継続して拡販していく方針を示した。
富士通の課題として「グローバル展開」を挙げ、「富士通を真のグローバルITカンパニーにしたい」と意気込む。海外赴任の経験はないが、独Siemensとの合弁会社・Fujitsu Siemens Computersを富士通の完全子会社化した際、プロジェクトリーダーを務めたという。
理化学研究所と共同で取り組んでいる次世代スーパーコンピューターへの取り組みや、半導体事業の今後について、間塚会長は「スパコンは富士通1社で10ペタバイトを達成するが、それが実現できるのも富士通に半導体があるから。半導体は、富士通の中のバリューチェーンをきっちり持って行くことが重要と思っている。もうけられる事業にし、半導体でも強い会社にしていく」と述べた。
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