ソニー、有機ELテレビ「XEL-1」国内販売を終了
ソニーは07年末に発売した世界初の有機ELテレビ「XEL-1」の国内販売を終える。海外販売は続け、有機ELの技術開発も続行する。
ソニーは2月16日、2007年12月に発売した世界初の有機ELテレビ「XEL-1」の国内販売を在庫限りで終えることを明らかにした。1月末に生産を終えており、ネット直販の受注も2月1日で終了。国内唯一の有機ELテレビが市場から消えることになるが、海外販売は続け、有機ELの技術開発も続行する。
国内販売終了の理由について同社広報センターは、「XEL-1のネット機能が昨年4月施行の青少年ネット規制法に対応していないため」と説明。同法ではネット接続機能付き端末を製造するメーカーに、有害サイトのフィルタリング機能を付ける義務を課しており、フィルタリング機能のないXEL-1は今年4月から出荷できなくなるという。XEL-1にフィルタリング機能を追加することも可能だが「発売から2年経ち、需要は一巡した」と販売終了を決めたという。
XEL-1は、画素が自ら発光する有機ELの特徴をいかした高画質が売りで、価格は20万円。中鉢良治社長(当時)は発表時の会見で「技術のソニーの復活と、反転攻勢の象徴にしたい」と意気込んでいた。販売台数は明らかにしていないが、当初の生産計画は月産2000台。
海外での販売は続けるほか、有機ELの技術開発も続行。「業務用カメラのビューファインダーに有機ELを採用したり、有機ELの3Dテレビを2010 International CESに参考出展するなど、技術開発や有機EL搭載アプリケーション開発は精力的に続けている。画面の大型化技術の開発も続行している」と広報担当者は話している。
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