社長がなぜ、クワガタに!? paperboy&co.のいま(3/3 ページ)
JASDAQ上場企業paperboy&co.の社長が、クワガタ姿でほぼ毎晩、Ustreamに登場する。なぜだ、なぜなんだ。
上場前は新サービスをだいぶ抑えていましたが、上場後の去年は、5月に家入から書評コミュニティー「ブクログ」の譲渡を受けてリニューアルしたり、飲食店向けサイト構築ASPサービス「グーペ」を始めるなど、加速しています。
サービスの作り方は上場前後で作り方はあまり変わっていません。ただ会社の余裕ができたので、今まではどちらかというと軽く作っていたけれど、最近はコストをかけて作りこんでから出せるようになっています。
――上場前後も変わらず業績が堅調です。
まぁ、GREEのほうがすごいですからねぇ……
SNSでは2004年、mixi、GREEに続いてうちがキヌガサを出したのですが、mixiとGREEは大企業になったのにキヌガサは撤退するという……
キヌガサは早い段階で機能を外出しできるようにするなど、OpenSocial的な動きをしていたのですが、時代を先取りしすぎてうまくいかなかったようです。うちのメディアサービスではよくあることで……
――なるほど……。とはいえ会社全体で見ると、景気動向にかかわらず、右肩上がりの堅調な成長が続いています。
Webアプリとレンタルサーバをセットで提供する形のサービスが支持されてきました。個人ユーザーが多く、景気にあまり影響されない価格帯のサービスです。
以前、法人向けにシフトしたサービスを出すことも検討しましたが、当社は営業マンがおらず、サポートもメールとチャットだけ。法人向けだとやり方を変えねばならず、面白いサービスができないと考えてやめました。
ただ今後は、メディアサービスなどほかの分野にも広げたいと考えています。
――IR資料が手書きっぽくて驚きました。
最初はすごくまじめな資料にしていたのですが、上場企業の先輩である親会社GMOインターネットの熊谷(正寿社長)に見せたら「ペパボっぽくないじゃん」と言われ、手書きフォントに変えました。
投資家のみなさんの反応はいいです。投資家さんはペパボのことをほとんどご存知ないと思うので、自分たちが何者かを伝えるにはこういうもので見せていったほうがいいかなと。
上場も“まとも”な話で、メイン事業のレンタルサーバも堅くて華やかなサービスではないですが、自分たちのセンスで面白くかわいく見せることを、今後も手を抜かずにやっていきたいと考えています。
自社ビルを持つ、街に社名が付くレベルの大企業に
――経営理念として「もっと面白くできる」を掲げています。
2〜3年前に社訓を考えていたとき、社内でいつも言っていることは「もっとそれ面白くできないの?」だよねという話になって。他社がサービスを出したとき、「これうちだったらもっと面白くできるのにね」とか。
人に見られて面白いと言われたい。普通のことをしていても埋もれたくはない。そういうところを会社の方針にしてみると面白いよと。いろんなところで面白いことはできて、それをわれわれのエッセンスにしていけるなら、地味なことでもやりがいが出てくるので。
――今後の目標は。
「ペパボを大企業にする」と社員に言っています。社員は今のペパボのレベルの成長しか考えていないようですが、これより大きい企業で、今やっているようなことが続くと面白いと思って。自社ビルを持てるレベルの会社にしたい。
そのためには、今あることを着実にやりつつも、会社の大きな成長に結びつくサービスは出していきたいと考えています。まずは大きなサービスを立ち上げられる体力をつけたい。新サービスに何億円か突っ込んでもびくともしない体力をつけられれば、そういうサービスを作ることができるかなと。
親会社(GMOインターネット)の今の規模よりは大きくしたいです。最終的には、社員10万人ぐらいにしたい。トヨタのある豊田市みたいに、社名が地名になるってのはあり得るかな。
――最後に、クワガタとしての目標を。
今回、取材をしてもらったので、もしかしたらここからクワガタ人気が始まる可能性がある。1度それに賭けてみます。たぶん今後、取材はないと思うので……。目標は、孫(正義)さんにTwitterでレスをもらうこと!
しばらくはクワガタ押しで行って、日の目を見なければ方針を変えるかひっそりと終えるか……。3年後、5年後は……テレビ番組みたいな形にしたいですね。5分のコーナーでもいいのでテレビに出たいです。
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27歳にして売上高8億円のIT企業の社長だが、高校時代はひきこもっていた。大学もあきらめ、サラリーマンになり、ネットで出会った妻と暮らした。つつましく生きていければ、それでいいと思っていた。
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