3Dテレビで「かつてない明るさ」 シャープ、4原色「AQUOS」夏に発売
「かつてない明るさを実現した」――シャープは、世界初の「4原色」表示による3D液晶テレビを夏商戦に投入する。高輝度とクロストークの少ない鮮明な映像が売りだ。
シャープは4月12日、世界で初めて「4原色」表示方式を採用した3D対応液晶テレビ「AQUOS」を、今年夏商戦に投入すると発表した。高輝度と、クロストーク(二重像)の少ない鮮明な映像が売りだ。2日に発表したタッチパネル対応3D液晶とあわせ、「3D映像時代を築く」としている。
3Dテレビは、国内ではパナソニックやソニーが夏までに投入。シャープも夏商戦に間に合わせるべく生産準備に入っているという。具体的な商品ラインアップは改めて発表するとしている。
ソニーやパナソニックと同じく、アクティブシャッター眼鏡方式を採用。映像が暗くなったり、クロストーク(二重像)が発生するといった同方式の問題を独自技術で克服し、3D視聴時のメガネを通した輝度を、100カンデラ/平方メートル以上に高めた。
光の3原色であるRGBの入力信号を、Y(黄色)を加えた合計4色の画素で表示する方式を、3Dテレビとして世界で初めて採用した。また、紫外線を用いて液晶分子の並びを高精度に制御する「UV2A」(ユーブイツーエー)技術を搭載して高輝度化。シングル信号配線で240Hz駆動する新開発の技術で液晶応答性能を高めたほか、スキャニングバックライトを採用してクロストークを抑えた。
同社の水嶋繁光 研究開発本部長は「CESで各社が展示していた3Dディスプレイの輝度を測ったところ、30カンデラ/平方メートル程度で、最も明るくても60カンデラ/平方メートル。当社の技術はかつてない明るさを実現している」と胸を張る。
高輝度と鮮明な映像を売りに、3D戦線が本格化する夏商戦を戦っていく。年度内には欧米、中国でも発売する予定だ。「シャープは2002年、世界で初めて3D対応携帯電話を発売し、03年には3D液晶と搭載PCを発売した3Dのリーディングカンパニー。新技術で3D映像時代を築く」と松本雅史 副社長は意気込んでいる。
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