KDDIの今期、営業収益・営業利益とも横ばい 固定の黒字転換見込む
KDDIの今期は、携帯事業の減収減益を固定事業の黒字転換がカバーし、営業収益・営業利益は横ばいの見通し。
KDDIは4月23日、2011年3月期(2010年度)の連結業績見通しを公表した。ARPU減少で携帯電話事業は減益を見込むが、固定通信事業が黒字転換し、営業利益は前期比で横ばいを見込む。
売上高に当たる営業収益も横ばいの3兆4400億円(前期比0.1%減)を予想。営業利益は、携帯事業が11.1%減の4300億円にとどまる見通しだが、固定事業で100億円の黒字を見込み、全体では4450億円(0.3%増)を予想している。経常利益は0.7%減の4200億円、純利益は12.8%増の2400億円の見通し。
今期、携帯端末は1060万台(前期比40万台増)の販売を計画。販売手数料の平均単価は前期から7000円減の2万9000円に抑える。EV-DO Rev.Aのマルチキャリア化で下り速度を最大9.3Mbpsまで高速化するほか、Wi-Fi対応端末の拡充や、今夏からのフェムトセル提供を予定している。スマートフォン第2弾では、メイン端末としての利用を想定したモデルを投入する計画だ。
FTTHは年間純増53万件・累計204万契約を目指す。「エリア拡大と販売力強化でまだまだ伸ばせると思っている」(小野寺正社長)。フェムトセルの普及などをにらみ、「モバイルブロードバンドが進めば晋ほど固定はビジネスに欠かせなくなる。携帯事業の収益減を固定で増やす戦略は間違っていない」(同)としている。前期に株式を取得したジュピターテレコム(J:COM)との相乗効果も図っていく。
2010年3月期(2009年度)の連結決算は、営業収益が1.6%減の3兆4421億円、営業利益が0.1%増の4439億円。携帯事業が減益だったものの、固定事業の赤字幅が改善した。経常利益は4.0%減の4229億円、純利益は4.5%減の2128億円。
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