「『検索の9割がGoogleに』は誤解」 ヤフー井上社長、検索提携を語る(2/2 ページ)
「ヤフーの検索や広告はほとんど変わらない」――ヤフーの井上社長は、Googleとの検索提携について「誤解が多い」とし、改めて説明した。
「検索の9割をGoogleが握るという認識は誤解」
「検索サービスの90%をGoogleが握るという認識は誤解」と井上社長は強調する。
「Yahoo!JAPANとGoogleは、検索エンジンは共通化しても、検索サービスはそれぞれ、今まで通り独自で展開する。シェアを足すと確かに90%になるが、競争している会社のシェアをすべて足すと100%になっていくのは当たり前で、Yahoo!JAPANのサービスがGoogleになるわけではない」
同社は今回の提携について、Googleとともに、日本の公正取引委員会に数カ月かけて説明し、了承を得たという。一方で、米Yahoo!とGoogleは2008年、検索広告の提携を発表したが、米司法省から独禁法違反と判断された経緯がある。
米Microsoftは、日本のヤフーとGoogleの検索提携が競争を阻害するとし、日本の公正取引委員会に申し立てを行う準備を進めているとされる。
井上社長は「アメリカができなかったことは我々も知っている。それを踏まえて検討はした」とコメント。梶川最高財務責任者は、「米Yahoo!は検索エンジンを独自で開発し、持っていた。それが競合に統合される場合と、そもそも持っていない日本のヤフーが他社のものを使う際にその選択肢としてGoogleになったというのは状況が違う」と話した。
独自のエンジンは「採算が合わない」
Yahoo!JAPANは、ロボット検索エンジンを独自で持ったことがない。国内のみのサービス向けに検索エンジンまで開発するのは割に合わない、というのがその理由だ。
「米Yahoo!は数十カ国で検索ビジネスをやっており、検索広告の売り上げも増えているが、その売り上げで投資しても検索エンジンは投資効率が悪いと言っている。Yahoo!JAPANは日本でしかビジネスできない。日本の市場だけをターゲットにして検索エンジンを開発するのは採算が合わない」(井上社長)
米Yahoo!が採用を決めたBingを選ばなかったのは、「総合的に判断した」結果。「別に、Microsoftが嫌いとか、Bingがダメとかではない。何社か検討した結果だ」
検索エンジンの評価は、専門部隊が以前から、定期的に実施しているという。キーワードを「商品系」「地域系」などいくつかのカテゴリーに分けて細分化し、結果の出方などを見て評価するという。
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