VOCALOIDをハードウェア化、ロボットにも組み込み可能に ヤマハ「VOCALOID-board」:デジタルコンテンツEXPO
VOCALOIDをハードウェア化し、ロボットやカラオケ機などに組み込めるようにした「「VOCALOID-board」をヤマハが開発。VOCALOIDの用途拡大を図っていく。
ヤマハは10月14日、歌声合成ソフト「VOCALOID」と同等の機能を持つハードウェア「VOCALOID-board」(ヴォーカロイドボード)を開発したと発表した。ロボットや電子機器などに組み込むなど、幅広い応用を期待している。
DSPとメモリ(SDRAM)、MIDI入出力、オーディオ出力、SDメモリーカードスロットを1ボード化。SDカードで供給された音声データベースを参照し、MIDI信号に従って歌声を合成し、音声として出力する。VOCALOIDソフトウェアの一連の機能をハードウェアとして実装し、各種機器に組み込めるようにしたものだ。
動作モードは3つあり、(1)PC版VOCALOID2ソフトで作成したVOCALOID MIDIデータに従って歌声をリアルタイム合成する「Playback」モード、(2)歌詞データをあらかじめ転送しておき、MIDIキーボードなどのノートメッセージに合わせて歌声をリアルタイム合成する「Realtime」モード、(3)なめらかにしゃべる音声を合成する「VOCALOID-flex」と同等の動作をする「VoiceSynth」モード──を備える。各モードを制御できるPC用ソフトも開発した。
「初音ミク」などのVOCALOIDは基本的にPC用ソフトウェアとして動作するため、「利用範囲が限定されていた」という。このため単体機器でも動作するハードウェア化することで、介護・エンターテインメント用ロボットやキャラクター玩具、カラオケ機器、電子楽器などさまざまな機器に組み込むことが可能になり、VOCAOIDの用途が広がることを期待している。
一般ユーザーへの販売は予定しておらず、興味を持つ企業向けにアライアンスプログラムを展開。VOCALOID-boardとデータ入りSDカードなどを提供し、評価利用してもらう考えだ。組み込みを容易にするため、さらに小型化や改良を進めていく。
「デジタルコンテンツEXPO 2010」(東京・日本科学未来館、東京国際交流館)で10月15日から展示する。
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