「二重価格」とは “Groupon系”サービスの注意点(2/2 ページ)
“Grouponおせち問題”をきっかけに、フラッシュマーケティングサイトの「二重価格」表示に注目が集まっている。景表法で禁じられている「不当な二重価格表示」とは。
「通常価格で提供している料理とは思えない」 国民生活センターに相談も
フラッシュマーケティングサイト上での「これは不当な二重価格表示ではないか」という事例は、ネット上でたびたび指摘されている。飲食店のメニューの通常価格が、グルメサイトで公表されている同じメニューよりも高く設定されていたり、クーポンを実際に利用してみたら、通常価格ではありえないような粗末な料理が出てきた――という報告もある。
国民生活センターによると、フラッシュマーケティングサイトで購入したクーポンでレストランを訪れたというユーザーから、「通常価格で提供している料理とは思えず、不満が残った」という相談があるなど、不当な二重価格表示の問題が表面化してきている。
消費者相も言及 業界は自主的な努力を
不当な二重価格表示が行われないよう、厳しい審査を行っているサイトもある。リクルートが運営する「ポンパレ」では、価格審査専門部署を設け、厳しくチェック。過去一定期間内に、元の価格での販売実績があるかなどをクライアント企業に書類で申告・署名してもらったり、店舗メニューやWebサイトなどをチェックし、価格根拠の確認が取れない場合は掲載を断るなどしているという。
グルーポン・ジャパンは今回の問題を受け、商品の提供会社に対する事前審査の厳格化など対策を発表している。
フラッシュマーケティングサイトの二重価格問題について、景表法を所管する消費者庁は、「個別の事案にはコメントできない」とした上で、「ネット上の不当な表示一般については、把握に務めている」と話す。岡崎トミ子消費者担当相も5日の会見でGrouponおせち問題にコメントしており、近く同庁はおせちを製造した飲食店経営会社の社長から事情を聞くと報道されている。
相次いで参入した事業者が市場を荒らし、結果的に行政の規制を呼び込むことになって新ビジネスの発展の芽を摘まれていく──この10年、ネット業界で繰り返された「また来た道」は避けるべきだ。フラッシュマーケティングサイトは、不況下で急成長してきた事業。「ユーザーの自己責任」や「自由な市場」を言い訳にせず、便利でお得なサービスを維持発展させていくためにも、業界の自重と努力が必要になりそうだ。
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