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「思いつく人はたくさんいるが、実際に作った人はごく少なかった」 “学び”を流通させる「Cyta.jp」(3/3 ページ)

楽器や語学などの先生をネットで見つけ、個人レッスンを受けられる「Cyta.jp」が人気だ。09年のβ版公開以来、ほぼ口コミだけで1万人超が受講した。運営会社を起業した有安さんは「4年間、セミの幼虫のように静かにやってきた」と話す。

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ネットの実名化が追い風に

 同社では創業時からあった前身サイトで既に黒字化を達成しており、業績は順調だという。収益源は、ほぼ100%レッスンの手数料。マイページ上には一切の広告を載せていない。広告を載せないことにこだわっているわけではないが、「手数料収入に比べ、広告収入は微々たるもの」と消極的だ。

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 創業当初、資金提供を持ちかけるベンチャーキャピタルの「甘い誘惑もあった」。しかし自社の成長スピードを守ることが重要と考え、出資の話は全て断ったという。現在も全て自社資金で運営しているが、「中小企業で終わりたくないから、必要があればどんどん上場するし他社とも提携する」という。

 Facebookなどの普及による、「ネットの実名化」も同サービスの追い風になっていると有安さんは話す。Cyta.jpのようなO2O(Online to Offline)のレッスンサービスでは、ネットで出会った見知らぬ人にいきなり会うのが怖いというユーザーの不安を生みやすい。そこで、講師のプロフィールを実名で公開することで、ユーザーの安心感やサービスの安全性を確保しているという。

 今後は海外展開や、選び抜いた講師陣を生かした新サービス展開なども検討している。

 「創業時からしっかり講師の質を保ってやってきたからこそ、それを生かした新サービスもできる。例えばQ&Aサイトなどを作れば、1つの質問に対し、そのジャンルで300人いる専門家のうち30人ぐらいは熱心に答えてくれるだろう」

 1対1で生徒と講師をマッチングさせるだけなら講師1人の価値で終わってしまうが、大勢の知識を合わせることで、より良いサービスを開発できると有安さんは言う。Cyta.jpは厳しく選んだ講師や作り込んだシステムを武器に、“学び”のプラットフォームを目指していく。

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