ネット選挙運動解禁への課題は“国民の無関心”?――与野党議員と津田大介さんら議論(3/3 ページ)
2010年に審議入りして結局不成立となったネット選挙運動解禁法案。成立に向けてどのような課題があり、どう乗り越えていくのか。各党の議員と津田大介さんらが議論した。
ネット選挙解禁の声は「みなさんが思うほど多くない」
ネット解禁を支持する人はどう行動していけばいいのか。みんなの党の松田公太参院議員はチュニジアの「ジャスミン革命」を引き合いに「“ネット選挙を解禁してくれ”と徹底的に声を上げてほしい」と呼びかけた。
もはや「各議員にとってネット世論は無視できない」と世耕議員。事務所に届くメールを全てiPhoneからチェックしているという遠山議員は「ネット選挙解禁の声はみなさんが思うほど多くない」が、「それが増えれば(議員に)心理的に効くと思う」とした。
また世耕議員は「具体的に動くために、このメンバーで各党の協議を始めましょう」と提案。「Facebookで呼びかけて、公開の場で各議員がネット選挙に対して反対なのか賛成なのかを明らかにしていくことが重要」と語った。
総務省は昨年、東日本大震災の被災地域に限って一部のネット選挙活動を許可している。津田さんが「ある意味総務省の解釈次第だと思うが、総務省がなんと言おうとネット選挙解禁派の各議員が勝手にTwitterで更新し始めて、なし崩し的に進めることはできないのか」と尋ねると、鈴木議員が「僕は来年やりますよ」と話し、会場から拍手が挙がった。
改正法案を「背水の陣で通していく」「通らなかったら炎上でもしてください」
最後に津田さんが「ネット選挙の解禁に向けて私はこういうことをやっていく、というのを公約的に(示してください)」と要請すると、各議員は次のように返答した。
井上議員 とにかくまずは、前回実務者会議をやったメンバーで集まることから始める。
福島議員 私は社民党の党首なので、党をまとめて一丸となってやっていく。あとは超党派で実務者会議を始めるのが第一歩で、中身をどうするかを議論していきたい。
鈴木議員 世論をどう動かしていけるか。ネットを使えない老人や地域の人々にも、(ネット選挙活動の解禁は)大事なことなんだと示していくことが重要。
石井議員 私は衆院の委員会の理事で最前線にいるので、(ネット選挙活動の解禁を盛り込んだ改正法案を)通すために最大限努力する。背水の陣で通していく。もし通らなかったら炎上でもしてください(会場笑い)。
世耕議員 各党協議会を立ち上げて、党に持ち帰って議論するというアクションを取る。
松田議員 全党協議会を行うことからさらに踏み込んで、何月何日までに法案を出すと納期を決めるべき。
遠山議員 今国会の最中に改正法案をとにかく提出し、与野党で合意していることを表明したい。
解禁に向けた障害となる1票の格差問題は「“暑い夏のうち”に解決する」(石井議員)という。世耕議員は「自民党は既に法案を用意しているので、いつでも出せる」と、公選法の改正案の本国会中の提出に向けて意欲を示した。
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