Facebookの「F8」2日目まとめ(Oculus製品版は発表されず)
Facebookの開発者会議「F8 2015」の2日目の基調講演では、期待されていたOculusの製品版HMDは発表されなかったが、ドローンによるネット網計画や人工知能技術の研究成果、iOSアプリ構築フレームワーク「React Native」の発表などがあった。
米Facebookが米カリフォルニア州サンフランシスコで開催した年次開発者会議「F8 2015」の2日目(現地時間の3月26日)の基調講演で発表されたことをまとめる。
基調講演には同社が昨年3月に買収した米Oculus VRのチーフサイエンティスト、マイケル・アブラシュ氏も登壇したが、期待されていたOculus Liftの製品版の発売予定は発表されなかった。
Facebookのマイク・シュローファーCTO(最高技術責任者)は基調講演でOculus Riftでのゲームのデモを披露した後、年内にこのゲームを自分で遊べるようになると語ったが、数時間後に自身のツイートで「年内にこの技術が登場するという意味で、このゲームあるいはOculusが年内に出荷されるとは言っていない」と語った。
この他の主な発表は以下の通り。
iOSネイティブアプリ構築フレームワーク「React Native」公開
「React Native」は、Facebookがオープンソースで提供しているユーザインタフェース(UI)構築JavaScriptライブラリ「React」を使ってモバイルアプリを構築するフレームワーク。まずはiOS版がGitHubで公開された。Android版も間もなく公開するという。
ネット網向け無人機のテストフライト成功
次世代インターネット網構築に取り組む研究所「Connectivity Lab」が、ネット網を担わせる予定のドローン(無人機)の英国での初のテストフライトを成功させたと発表した。
マーク・ザッカーバーグCEOの投稿によると、このドローンの翼幅はボーイング737より長いが、重量は一般的な自動車より軽いという。太陽電池板で稼働し、上空6万フィート(約18キロ)に1カ月滞在できるとしている。
スポーツ動画を“見て”競技の種類を理解する人工知能
同社が2013年に立ち上げた人工知能研究ラボの最近の成果として、スポーツの動画を見せるとそれが何のスポーツなのかを判断する人工知能のデモを披露した。例えば、フィギュアスケートとアイスホッケーの違いも分かる。
以下に基調講演の録画版を転載する。約1時間ある。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
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