「Apple Music」を迎え撃つSpotify、有料会員2000万人突破と発表 5億ドル超の増資も
Appleの有料音楽サービス「Apple Music」が6月30日から世界100カ国以上でスタートするのに先立ち、音楽ストリーミングサービス大手のSpotifyが、有料会員数が1年で倍増し、2000万人を突破したと発表した。同社はまた、約5億ドルの増資を行ったと報じられた。
スウェーデンの音楽ストリーミングサービスSpotifyは6月10日(現地時間)、有料会員数が1年で倍増し、2000万人を突破したと発表した。無料会員を含むアクティブユーザー数は7500万人以上という。
同社は、有料会員の最初の1000万人獲得には立ち上げから5年半かかったが、1年で倍増したと、その急成長ぶりを強調した。
米Appleが8日のWWDC 2015の基調講演で発表した競合サービス「Apple Music」を迎え撃つ構えだ。
Apple Musicは月額9.99ドル(6人で使える家族プランは14.99ドル)の総合音楽サービスで、6月30日に世界100カ国以上でスタートする。Spotifyには、月額9.99ドル(2人で14.99ドル〜5人で29.99ドルのファミリープランもある)の有料サービスと広告ベースの無料サービの2種類がある。
Spotifyはまた、楽曲使用料(ロイヤリティ)の支払いが累計で30億ドルを突破したことも発表した。有料会員が増加したことで、例えば世界でトップ10に入るアーティストの場合、過去1年の支払いは770万ドルだったが、このまま成長が続けば2016年5月までの1年の支払いは1390万ドルに上るという予測を示した。
Spotifyに関しては同日、5億2600万ドルの増資が9日に完了したと米Wall Street Journalがこの件に詳しい情報筋の話として報じた。
出資したのはプレスリリースを出しているノルウェーの通信キャリアTeliaSoneraの他、米、英、カナダの投資会社やベンチャーキャピタルだ。
なお、Spotifyのサービスは今のところ日本では使えない。Apple Musicが6月30日から日本で使えるかどうかはまだ不明だ。
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