“俺の嫁”召喚装置「Gatebox」実現へ、技術ゼロから挑んだIoTベンチャー 「選ばれしオタクに届けたい」(5/5 ページ)
“俺の嫁”を現実に召喚できる装置を、秋葉原のベンチャー企業が開発中だ。手のひらサイズのキャラが3Dで投影され、ユーザーをいたわったり家事を手伝ったりする。「“選ばれしオタク”に最高の1台を届けたい」と開発元は意気込む。
「どうせなら、めっちゃ難しいことを」
構想から約1年、開発に着手してからわずか半年。技術ゼロから挑戦し、ここまでたどりついた。
「夢みたいなものを作りたいと思ったんです」――自分たちが今できることにとらわれず、「とことんでかいことをやろう」と挑戦してきたという。
ハード開発の難しさは知っていた。Gatebox開発前に作っていたスマートフォンアクセサリー「AYATORI」は構想から販売まで1年半かかり、「ハードを作るにはお金も時間もすごくかかる」と実感した。
普通の人なら「ハード開発は面倒だ」とやめてしまうかもしれない。だが、武地さんは逆に発想した。「どうせお金も時間もかかるんだったら、もっとすごくデカいこと、めっちゃ難しいことにチャレンジしたらいいじゃん、と」。
加えて、「大きな夢を描いたほうが、クラウドファンディングで資金が集まりやすい」という見通しもあった。
「クラウドファンディングは夢を応援する文化なので、実現できそうなものは『支援しなくて大丈夫だろう』と逆にお金が集まりづらい。だったら、とことんでかい夢を描いて難しいことに挑戦して、みんなから応援されて作っていく形のほうがいい」
武地さんの「でっかい夢」は、ベンチャーキャピタルも動かした。製品化に向けた採用強化のためこのほど、ベンチャーキャピタルと金融機関から総額約9000万円の資金調達を実施。現在も、UnityエンジニアやWebエンジニア、マーケターなどを募集中だ。
以前、武地さんはスマートフォンアプリのディレクターだったが、今はアプリ開発よりハード開発の方が「夢がある」と感じている。
「好きなキャラと一緒に暮らしたいとか、途方もない夢って、小さな画面の中ではなかなか実現できない。ハードから全部作る方が、自分のやりたいことをとことん実現できるんです。まだ誰も作ったことがないものを作れる可能性がある。めちゃくちゃ大変だし、人にはすすめないですけどね」
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