ARM、モバイルVR/AR用GPU「Mali-G71」発表 Samsungもライセンス済み
ARMが、スマートフォンのVR/AR性能を強化するCPUおよびGPUを発表した。2017年のフラッグシップ端末に搭載される見込みだ。GPU「Mali-G71」はグラフィックスAPI「Valkan」に最適化されている。
英ARMは5月30日(現地時間)、モバイル向けの次世代CPU「Cortex-A73」およびGPU「Mali-G71」を発表した。2017年のフラッグシップ端末に搭載され、スマートフォンでの4K動画再生、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の性能を強化するとしている。
Mali-G71は、同社の「Mali-T880」よりグラフィック性能は50%、省電力性能は20%、平方ミリ当たりの性能は40%向上したとしている。
ARMは、この性能は、多くのミッドレンジノートPCのGPUの性能を超えると説明する。
Mali-G71は「Bifrost」というGPUアーキテクチャーを採用しており、Khronos GroupのグラフィックスAPI「Vulkan」に最適化されている。
ARMは発表文で「VRはゲーム業界にとって最も重要な技術ブレークスルーの1つだ。モバイルに高品質なVR体験をもたらすことは業界の成長にとって重要だ」としている。
Mali-G71は、HiSilicon、MediaTek、Samsung Electronicsがライセンスしている。
Cortex-A73は先代の「Cortex-A72」より30%性能が向上し、コア当たりのサイズは0.65平方ミリ。HiSilicon、Marvell、Mediatekを含む10社がライセンスしているという。
スマートフォンによるVRシステムは、Samsungの「Gear VR」が先駆けとなり、韓国LG Electronics、中国Huawei、台湾ASUSなどもこれを追って自社製ハイエンドスマートフォンをセットするVRヘッドセットを発表している。米GoogleがGoogle I/Oで発表したVRプラットフォーム「Daydream」をサポートするスマートフォンが今秋から登場する見込みだ。
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