Facebook、企業やブランドより友達を優先するアルゴリズム変更 「ニュースフィードの価値基準」も初公開
Facebookがニュースフィードの表示ランクを決めるアルゴリズムをまた変更する。「友達からの投稿を見逃さないようにする」目的としており、企業やブランドのFacebookページからの投稿は相対的に表示されにくくなる。
米Facebookは6月29日(現地時間)、ニュースフィードの新たなアルゴリズム変更を発表した。「ユーザーが友達からの投稿を見逃さないようにする」変更という。
同社は2015年4月にもFacebookページ(以下、ページ)より友達の投稿を優先するアルゴリズム変更を実施したが、それでもまだユーザーからは友達からの大切な投稿を見逃す懸念がフィードバックされているという。そこで、ニュースフィードで友達からの投稿が優先的に表示されるようアルゴリズムをアップデートするとしている。
これは当然、ページや「Instant Articles」などの企業やブランドによる投稿の表示に大きな影響を与える。
同社は、「この変更は、幾つかのページでのリーチやトラフィックの減少を引き起こすだろう」と認めた。だが、ユーザーがコメントしたり「いいね!」したりシェアした投稿は“友達の投稿”と見なされ、表示の優先順位は上がる。Facebookはページオーナーに対し、フォロワーが友達とシェアしたくなるような投稿をするよう推奨した。
Facebookは同日、ニュースフィードのアルゴリズム変更の価値基準としている「News Feed Values」を初めて公開した。一般ユーザー向けにニュースフィードについて説明する「News Feed FYI」というWebページも提供している。
Facebookはニュースフィードの目的を「ユーザーにそのユーザーにとって最も関連性の高いストーリーを見せる場を提供すること」としており、投稿の表示ランクをアルゴリズムで操作するのはその目的のためだけだと説明する。
同社はこれまでも頻繁にアルゴリズムの変更を発表してきたが、その基準については開示していなかった。
Facebookに対しては最近、米国で提供している「Trending Topic」(Twitterのトレンドのようなサービス)に政治的偏向があるのではないかという批判が高まった。今回の開示にはこうした疑惑を解消する目的もありそうだ。
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