Apple出資の中国滴滴出行、UberChinaを買収
Appleが10億ドル出資したことで注目を集めた中国の配車サービス大手Didi Chuxing(滴滴出行)がUberの中国事業UberChinaを買収する。株式交換による合併方式で、Uberブランドは残す。
中国の配車サービス大手、Didi Chuxing(滴滴出行)は8月1日(現地時間)、米配車サービスUberの中国事業、UberChinaを買収することで合意に達したと発表した。株式交換による合併方式で、Uberが新合弁企業株の約5.89%を取得する。
滴滴出行はUberのブランドや顧客データを含む中国本土の資産を買い取り、Uberのブランドを残して事業を展開する。
滴滴出行は2012年から中国本土で配車サービスを展開している。UberChinaは2014年創業で、これまで市場でのシェア拡大に努めてきたが、単独での市場開発を断念した形だ。
滴滴出行に対しては5月、米Appleが10億ドルを出資している。
滴滴出行の柳青総裁は発表文で「1500万人以上のドライバーと3億人以上の登録ユーザーが滴滴出行に加わった。また、UberChinaチームの強力な才能と経験が加わることで、滴滴出行は中国でのよりよい地位を確立できる。われわれはまた、国際的な戦略も拡大していく」と語った。
Uberのトラヴィス・カラニックCEOは自身のFacebookでUberChinaの従業員宛の書簡を公開した。「私は起業家として、成功するには情熱だけでなく理性にも耳を傾ける必要があることを学んだ。中国の都市でサービスを提供し続けるためには収益が必要だ。今回の合併は、UberChinaと滴滴のチームの巨大なミッションへの道を切り開く」と語った。
関連記事
- Uber、独自マッピングカーを米国外でも走行開始
Uberが、これまで依存してきたGoogle Mapsから独自の地図に移行する目的で2015年から米国でスタートした独自のマッピングカーの走行を世界に拡大する。このプロジェクトに5億ドル以上を投入するという。 - Apple、“中国版Uber”のDidi Chuxing(滴滴出行)に10億ドル出資──Reuters報道
Appleが「中国市場を理解するために」中国版Uberと目される配車サービス企業Didi Chuxing(滴滴出行)に10億ドルを出資した。 - Volkswagen、Uber競合のGettに3億ドル出資
Volkswagen Groupが、主に欧州で急成長中の配車サービス、イスラエルGettに3億ドルを出資すると発表した。 - Uber、アジア太平洋地域でのサービス拡大を目指し12億ドル増資
UberのカラニックCEOは12億ドルの資金調達を発表する公式ブログで、同社は急激に成長しており、そうした成長は痛みを伴うものだが数カ月で問題を解決できると、最近のプライバシー問題炎上を含む諸問題について触れた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.