NTTコミュニケーションズは1月25日、AI(人工知能)を活用した業界特化型の自動翻訳プラットフォームサービスβ版を提供開始した。利用する業界や用途特有の言葉、言い回しをAIに学習させることで、従来の機械翻訳に比べて精度の高い翻訳を実現できるという。正式サービス開始は10月を予定している。
「業界特化型AI翻訳プラットフォームサービス」(以下、AI翻訳PF)は、クラウド上のAI翻訳エンジンを提供するサービス。NTTグループの開発するAI「corevo」(コレボ)の多言語統計翻訳技術を採用し、膨大な文例のビッグデータを利用して文章を翻訳するという。
対応言語は日本語から英語、韓国語、中国(繁体字)への翻訳(逆も可能)。
AI翻訳PFが翻訳した結果はAPIを介して提供されるため、ユーザー企業が提供するサービスに組み込んで活用できる。分かりやすいユーザーインタフェースを用意することで、学習や翻訳のチューニングはユーザー自身が行えるという。将来は、学習済みのエンジン提供することも検討しているという。
先行事例として、海外のメディアや公的機関、各国中央銀行などがTwitterで発信するツイートを収集し、日本語に翻訳して表示するサービスを、金融情報を手掛けるQUICKが提供する個人投資家向け情報サイト「QUICK Money World」に表示する。
同社はβ版提供にあわせて、ビジネスを検討するパートナー企業を募集している。
関連記事
- 東京メトロ、メガホン型翻訳機「メガホンヤク」導入 まずは初詣向け
パナソニックが開発したメガホン型の多言語音声翻訳機「メガホンヤク」を、東京メトロが浅草駅、明治神宮前駅などに導入。 - Google翻訳が進化 日本語にもニューラルネット適用、自然な訳に APIも公開
米Googleは、ニューラルネットを活用した新しい機械翻訳システムを、日本語など8言語に適用した。翻訳の「飛躍的な前進」としている。 - Microsoft翻訳もニューラルネット対応で進化 テキストに加え音声翻訳も
MicrosoftがGoogleに続き、機械翻訳サービス「Microsoft Translator」にニューラルネットワーク技術を適用。日本語にも対応している。 - 複数人が同時に話してもリアルタイムで聞き分け集音 東芝が新技術
複数の人が同時に話しても、話者ごとに聞き分けて集音できる技術を東芝が開発。 - 駅構内のアナウンスをスマホに多言語表示 JR東海が試験導入
JR東海とヤマハが、東海道新幹線の構内で、日本語のアナウンスを多言語に翻訳し、スマートフォンに表示するサービスを始める。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.