Medium、ライターにコンテンツ料を支払う「Partner Program」スタート
3月から月額5ドルの有料会員プログラムを追加したMediumが、その収入をライターへのコンテンツ料に充てる新プログラムを開始した。クローズドな投稿への「クラップ」数などで金額が決まる。
米Mediumは8月22日(現地時間)、一部のライターにコンテンツ料を支払うプログラム「Partenr Program」を開始したと発表した。
同社は3月、それまで無料でのみ提供してきたMediumのサービスに、広告を表示しない月額5ドルの会員制プランを追加した際、このプログラムについても予告していた。
まずは招待した一部のユーザーのみがプログラムに参加できる。また、支払いは米Stripeのオンライン決済サービスを使い、個人ユーザーの場合は米国の銀行に口座を持っている必要がある。企業の場合は、Stripeが直接サービスを提供してる国に拠点を置いている必要がある。
プログラムに参加したユーザーは、投稿を従来通りの公開方法に加え、基本的に有料会員にのみ読ませるクローズドな方法で投稿できる。
クローズドな投稿にしても、無料ユーザーのフォロワーや検索結果にも表示される。無料ユーザーでも月に3本まではクローズドな投稿を読める。
コンテンツ料は毎月の月末に支払われる。金額は、その月の「エンゲージメント」の高さで決まる。主に「クラップ」(Facebookの「いいね!」に当たる手を叩くアイコン)の獲得数が基準で、他の要素も考慮するとしている。つまりクローズドな投稿に誰もクラップしてくれないと、無料ユーザーに読まれない上に収入につながらないことになるようだ。
コンテンツ料は有料会員の会費でまかなう。会員からの5ドルを、その会員のクラップした投稿で分配する。例えば会員が1カ月に5本の投稿にクラップしたら、各投稿のライターが1ドルずつ(すべて同じライターの投稿であれば5ドル)獲得する。クラップ数に制限はないので、500本に投稿したら1本0.1セントだ。有料会員が増えないと、コンテンツ料も増えない構造だ。
Mediumは少なくともスタート段階では会費からの収入の100%を同プログラムでのライターへの支払いに充てるとしている。
現在は米国に銀行口座を持っていないと個人では申し込めないが、専用ページから参加を申し込むことはできる。
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