日本電気(NEC)と産業技術総合研究所、理化学研究所は2月5日、AI研究の連携を開始したと発表した。研究テーマは「未知な状況における意思決定」と「自律型AI間の協調」。2017年12月22日に共同研究に係る覚書を締結し、基盤技術開発から実用化まで一貫した三者連携をしていくことに合意した。研究開発に関する情報の共有、ソフトウェアの共同開発、設備など研究リソースの相互利用などを行うことで、効率化や研究成果最大化を目指す。
今回の研究テーマの1つとなる「未知の状況での意思決定」では、対象をシミュレーションした上で自動推論技術と融合することで、膨大なケースデータを蓄積することなく推論する技術を開発。この技術により、非熟練オペレーターでも熟練オペレーターと同等の意思決定が可能となり、経験不足によるオペレーションミスを飛躍的に削減できるという。
もう1つの研究テーマ「自律型AI間の協調」では、自律制御システム間で、譲る、分担する、融通するなど、AI同士が自律的に協調する技術を研究。同研究により、自律制御システム間の挙動を競合させずに社会システム全体が正しく機能することを期待している。
(太田智美)
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