Twitter、トランプ大統領も批判する「シャドーバンニング」を否定
Twitterの検索途中で表示される結果候補に共和党員の名前が出てこないのは「シャドーバンニング」のせいだという批判を受け、Twitterがこれを否定し、「会話の健全性」についての取り組みについて説明した。
米Twitterは7月26日(現地時間)、いわゆる「シャドーバンニング」をしているという批判を否定し、会話の健全性に関する取り組みについて公式ブログで説明した。
シャドーバンニング(shadow banning)とは、誰かのツイートを、ツイートした本人には気づかれないように、意図的に他の人が発見できないようにすることだ。
米国では米メディアVice Newsが25日、Twitterが多数の共和党議員のツイートについてシャドーバンニングしているという記事を掲載し、波紋を呼んだ。検索の途中で自動表示される候補として、民主党議員は表示されるが、共和党議員が表示されないというのだ。
これに対し、Twitterの製品責任者、ケイヴォン・ベイポー氏が同日自身のツイートで、検索で自動的に表示する候補の順位は“行動ランキング”に基づいているが、このランキングには政治観やイデオロギーは無関係だと説明した。ジャック・ドーシーCEOはこのツイートを26日にRTし、「会話の健全性についてのわれわれの取り組みについて皆さんの信頼を得るためには、まだ多くの努力が必要だ」と語った。
この件についてはドナルド・トランプ米大統領も「Twitterは著名な共和党員らをシャドーバンニングしている。良くないことだ。この差別および違法行為についてすぐに調査する!」とツイートしていた。
公式ブログでは、再度シャドーバンニングを否定した上で、ツイートと検索結果のランク付けの仕組みについて説明した。ランク付けは関連性の高い情報をユーザーに提供すると同時に健全な会話を低下させようとする悪意あるユーザーに対処するために不可欠であり、多様なシグナルに基づいて行っているという。
表示されるツイートのランクは、ユーザーがフォローしている人のツイートかどうか、Twitter上で人気のあるツイートかどうかなどで決まり、悪意あるユーザーのランクは低くなる。
悪意あるユーザーと判断するシグナルとしては、アカウントのプロパティ(正規のメールアドレスで確認できているか、作られたばかりのアカウントかどうか、プロフィール画像があるかどうかなど)、誰をフォローしているかなどのそのアカウントの行動履歴、誰にフォローされているか、誰がミュートしているかなど他者からの評価、などがある。
このアプローチを実施してから明らかに嫌がらせやスパムの報告が減ったことから、効力があるとTwitterは考えているという。
Vice Newsが指摘した問題は、共和党員に限ったものではなく、民主党員を含む数十万のアカウントが影響を受けたとTwitterは説明する。主な原因は、Twitter上で自身のプレゼンスを高める目的で多くのアカウントとエンゲージメントしようとするコミュニティの行為だという。そうしたコミュニティが共和党員を含むアカウントに影響を与えたため、検索での自動表示ランクが下がったとしている。この問題は既に解決したという。
本稿執筆現在、Vice Newsが指摘していた共和党員のローナ・マクダニエル(Ronna McDaniel)氏の名前を検索してみたところ、「Ron」までの入力でアカウント名としては検索候補のトップに表示された(アカウントによって結果は異なる)。
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