Google、EU制裁受け欧州で販売するAndroid端末への公式アプリバンドル条件変更
GoogleがEUによる7月の独禁法違反制裁への対策として、欧州経済地域での公式アプリバンドル義務付けを終了し、その代わりバンドルに際してはライセンス料を課すと発表した。
米Googleは10月16日(現地時間)、欧州経済地域(EEA)で販売されるAndroid端末について、Googleの公式アプリのライセンス方法を変更すると発表した。欧州連合(EU)が7月に下した独禁法違反という結論に対処するため。
同社はこの決定に対し、欧州連合裁判所に上訴しているが、同時に今回の変更もEUに伝えた。ライセンス方式の変更は10月29日にEEAでのみ適用する。
EUの欧州委員会は7月の決定で、Googleが欧州独占禁止法に違反したとして43億4000万ユーロ(約5703億円)の制裁金支払いを命じた。Googleが公式アプリストア「Google Play ストア」のアプリをプリインストールしたいAndroid端末メーカーに対し、「Google検索」と「Chromeブラウザ」もプリインストールすることを義務付けたこと、その他の公式アプリのバンドルも義務付けたことが、メーカーのプリインストールアプリの選択の自由を制限したとしている。
新しいライセンス方法は以下の通り。
- Google検索とChromeブラウザのライセンスを分ける
- Google検索またはChromeブラウザアプリのライセンスをそれ以外のGoogleアプリのライセンスと分ける
- これまで無料にしていたアプリのライセンスを有料にする
Platforms & Ecosystems担当上級副社長のヒロシ・ロックハイマー氏は公式ブログで、Google検索とChromeを他のアプリと一緒にプリインストールしてもらうことで、Androidの開発と無料配布への資金提供が可能になっていたので、代わりの資金源を確保するために有料ライセンス契約を導入すると説明した。Android OS自体は無料でオープンソースのままだ。ライセンス料などの詳細は公表していない。
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