異業種が熱視線 日本の「eスポーツ」はビジネスになるのか(2/2 ページ)
日本国内でもにわかに盛り上がりを見せている「eスポーツ」。ゲーム業界だけでなく、芸能事務所やテレビ局、プロスポーツリーグなどが続々と市場参入を表明しているが、そこにどんな可能性があるのか。
プロスポーツリーグもeスポーツ大会に期待している。Jリーグは、3月にeスポーツ大会「明治安田生命eJ.LEAGUE」を初開催。日本野球機構(NPB)とコナミデジタルエンタテインメントも、プロ野球史上初となるeスポーツリーグ「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」を開催することを発表した。12球団のeスポーツ選手が、コナミの野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」シリーズで戦い、「日本シリーズ」で優勝者を決めるという。
これらの企業は、eスポーツに参入することで既存事業の認知やファンの拡大を図る他、大会運営による興行収入や放映権料収入を見込んでいるようだ。
一方で、こうした急な盛り上がりに戸惑う声もある。8月に開催されたeスポーツに関するトークイベントでは、eスポーツの現場で活躍するプロ選手や大会運営者らが登壇。「eスポーツに参入したい大企業の相談が増えた。しかし、みんな自分の所で(eスポーツ事業を)やりたいと思っているので、どこに落ち着くのだろうかと思う」「最近はメディアの取材も増え、海外に追い付こう、eスポーツを盛り上げようとしているのは分かるが、プレイヤー的には置いていかれている感じがする」など戸惑いの声が見られた。
日本のゲーム文化は、家庭用ゲームやゲームセンターを中心に根付いてきた面が大きい。オンラインゲームや動画視聴の市場の伸びしろはあるだろうが、eスポーツを興行や文化として根付かせていくには既存のプレイヤーやゲームコミュニティーとの協力も必要になってくるだろう。
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