メルカリ、上期は44億円の最終赤字 「黒字化急がず、流通額増やす」:「メルペイ」ローンチは慎重に(1/2 ページ)
メルカリが2018年7〜12月期の連結決算を発表。米国事業などに積極投資したため、純損益は44億7500万円の赤字だった。会見には小泉文明社長が登壇し、今後の方針などを説明した。
フリマアプリ運営のメルカリは2月7日、2018年7〜12月期の連結決算を発表した。売上高は237億8800万円、営業損益は36億5400万円の赤字、純損益は44億7500万円の赤字だった(前年同期実績は非公開)。国内事業は堅調に推移し、売上高220億円(前年同期比43.2%増)、営業利益44億円(24.3%増)を計上したが、米国事業、準備中のモバイル決済サービス「メルペイ」などに積極投資したため、連結ベースでの黒字転換はならなかった。
国内は堅調、さらなる新規ユーザー獲得へ
同期の国内事業のGMV(流通総額)は2280億円(45.3%増)、平均MAU(月間アクティブユーザー数)は1236万人(28.2%増)と大きく伸びた。冬物アパレルの取引が特に活発だったという。
今後は、マス広告を通じて20〜30代女性、出品物の拡充を通じて30〜40代男性の獲得を図る計画。後者に向けては18年秋、自動車のカスタムなどに関する情報交換SNS「CARTUNE」を運営するマイケル(東京都渋谷区)を約15億円で買収。同SNSとメルカリを連携させ、SNS上で自動車のパーツを出品・購入できる仕組みを取り入れるなどの施策を打っている。
米国事業では「流通額1億ドル」超えれば黒字化も
米国事業のGMVは8700万ドル(約95億6675万円、69.3%増)、平均MAUは非開示だった。小泉文明社長は「米国事業は足元では高い成長率を記録しており、今後もさらなる成長が見込まれる。GMVが1億ドル(約109億9626万円)に近づけば黒字化も見えてくる」と強調した。
今後はGMVの強化に注力していく方針で、小泉社長は「黒字化を急ぐよりも、流通高を増やすことに一番のプライオリティを置く。流通高が少ないのに黒字化しても(市場では)評価されない。ただ、やみくもに赤字を増やすつもりはないので、規律を持ってやっていきたい」と語った。
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