メルカリ、上期は44億円の最終赤字 「黒字化急がず、流通額増やす」:「メルペイ」ローンチは慎重に(2/2 ページ)
メルカリが2018年7〜12月期の連結決算を発表。米国事業などに積極投資したため、純損益は44億7500万円の赤字だった。会見には小泉文明社長が登壇し、今後の方針などを説明した。
「メルペイ」ローンチは慎重に
17年末に発表したメルペイだが、ローンチ時期は現在も未定。小泉社長は会見で「いたずらに開始時期を延ばす必要はないと考えているが、金融サービスである以上、『取りあえず出してみて、バグがあったら後から修正する』といった対応では責任を果たせない。現在は慎重に準備しているため、もうしばらくお待ちいただきたい」と説明した。
昨今は、大規模な還元キャンペーンが話題の「PayPay」といった競合の参入が相次いでいるが、メルペイはメルカリ内の取引で入手した金銭をそのまま加盟店などで使える仕様とし、差別化を図っていく構えだ。小泉社長は「メルペイを使えば使うほどメルカリを使いたくなるような、ポジティブなサイクルを回したい」と話した。
今後も「人材とAI」に投資
19年6月期(18年7月〜19年6月)の通期業績予想は「投資による損失額が広がる可能性がある」(IR資料より)ため非公開。具体的には、AI(人工知能)の強化や人材獲得に向けた投資を積極化する計画だ。
同社は現在、出品物をスマートフォンのカメラで撮影すると、AIが画像を認識し、品名などを自動で表示する仕組みなどを実装している。米国では配送サービスの料金体系に“重さ”が組み込まれているケースが多いため、出品物を撮影するだけで重量を推計する仕様も取り入れている。
今後はこれらをさらに強化する方針で、小泉社長は「ゆくゆくは、写真を撮るだけで出品が完了する仕組みにしたい。こうした機能の開発に向け、人材を投入していく」と展望を示した。
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