メルカリ、この四半期も25億円の赤字。海外事業が影響:売上、流通総額は高成長維持
6月に大型上場を果たしたメルカリ。7−9月の決算では前四半期に続き25億円の赤字となった。国内の主力事業であるメルカリ事業は黒字だが、海外事業および新規事業の損失が足を引っ張った。
メルカリは11月8日に、7月-9月の四半期決算を発表した。総流通高は1071億円と対前年同期比で43.4%増と好調に推移した。売上高は105億円と対前年比45.3%増、営業損益は25億円の赤字だった。国内のメルカリ事業単体では14億円の黒字だったが、海外事業および新規事業のメルペイの損失が影響した。
「大きく成長させるために大胆な投資も必要。規律のある赤字をもって事業を成長させたい」(メルカリの長澤啓CFO)
国内メルカリ事業では、月間利用者数が対前年同期比で24.8%伸びたのに対し、流通総額は41.1%伸びており、「頻度や単価が上昇するなどの理由で伸びている」(長澤氏)。
2014年にはレディースファッションジャンルの流通高比率が37%あったが、現在ではカテゴリーごとに分散化してきておりレディースファッションの比率は24%まで減少した。「もともとはレディースのファッションに寄っていたが、分散してきている。メンズカテゴリーが伸びてきている」(長澤氏)。カテゴリーごとにCMを行うなど、カテゴリー個別に強化を図っている。
コスト構造的には広告宣伝費と、開発および開発の人件費が多くを占める。広告宣伝費は横ばいだが人件費は増加した。10月1日には50人の新卒を採用し、特にエンジニアを中心に積極採用を継続する方針だ。
なお、メルカリが本人確認を行っている間に、ユーザーの売上金額が失効する出来事が問題になっているが、「本人確認の強化は事実として取り組んでいる。万が一、本人確認作業中に売上金が失効してしまうことがあったら、後から対応させていただく」(長澤氏)とした。
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