メルカリに外国人社員44人が入社 故郷を離れ「フリマのグローバル化」に協力:自国での学びをキャリアに生かす
メルカリに118人の新卒・中途社員が入社。そのうち44人は米国・カナダ・インドなど外国籍だ。外国人社員は「自国での学びをキャリアに生かしたい」などと意気込みを語った。
フリマアプリ運営のメルカリは10月1日、新卒入社・中途入社する118人の社員を迎えた。そのうち44人が米国・カナダ・インドなど外国籍で、自国の大学を卒業したばかりの人も含まれる。同社が外国人社員を一度に大量採用するのは初という。そのほとんどがテック人材(技術職)で、技術力向上とグローバル化を同時に進める狙いがある。
今回入社する外国人社員の多くは、学生時代に機械学習などAI(人工知能)関連分野を専攻。今後は研修を経て、データアナリストやエンジニアとして働くという。
海外事業の助けに
メルカリは現在、日本のほか米国と英国に現地法人を構えてフリマアプリを展開しており、今後は世界各国に事業の幅を広げる構想もあるなどグローバル化に注力している。今回の採用もその一環だ。
山田進太郎会長兼CEO(最高経営責任者)は「2013年の創業当時から、メルカリをグローバルカンパニーにしたかった。日本でも社内を多国籍化し、海外事業の助けにしたい」と話す。
高い技術力を持つ人材を獲得できたため、「今後はAIを中心に投資し、(フリマでの)購入率や出品率を高めたい」(山田CEO)という。
山田CEOは「今後も優秀な人をどんどん採用し、社内で成長してもらい、会社としての地力をつけたい」と展望を語った。
通訳などのサポート実施
メルカリでは現在、28カ国から集まってきた社員が働いていて、彼らが業務に適応できるよう、社内では「GOT(Global Operations Team)」と呼ぶチームがサポートを手掛けている。
主な業務内容は、ミーティング時の通訳、社内資料の翻訳、日本人社員を交えたランチ会の開催など多岐にわたるという。
社内組織のマネジメントを担っている、メルカリの唐澤俊輔執行役員は「色んなバックグラウンドの方に入社してもらい、すぐに成果を出してもらうためには、言語の壁などの課題をなくすことが不可欠。どんな人がいるのかを正しく把握し、一人一人が自分らしさを発揮できるようにしたい」と意気込んだ。
自国での学びをキャリアに生かす
米国生まれで、米国法人でのインターンシップを経てメルカリに入社したアディラ・ロウさん(21)は「自分もメルカリのユーザーで、大好きな日本の洋服をよく買っていた。インターンでは、仕事がハイペースな点が自分と合っていると感じた。刺激が欲しいと考え、自国のIT企業ではなく、あえて(日本の)メルカリを選んだ」と説明。
「大学では機械学習を専攻し、独学で9年間日本語も学んでいた。家族と離れるのは寂しいが、これまで学んだことをキャリアに生かしたい」と流ちょうな日本語で期待を語った。
インド生まれで、IIT(インド工科大学)在学中にメルカリが実施したハッカソンを機に同社を知り、興味を持って入社したというサヒル・リシさん(21)は、「日本語は話せないが、通訳などのサポートが受けられるため安心している。インドと日本の生活習慣の違いも特に心配していない。メルカリで良いメンター(指導係)に巡り合えればうれしい」と話していた。
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