Google、欧州のAndroidユーザーにWebブラウザと検索エンジン選択の自由を明示へ
Googleが、欧州でのAndroidアプリ市場の健全性強化のために、ユーザーに使いたいWebブラウザと検索エンジンの選択を促すと発表した。同社は欧州委員会からAndroidアプリでの独禁法違反で43億4000ユーロの制裁金を科されている。
米Googleは3月19日(現地時間)、欧州のAndroidユーザーに対し、どのWebブラウザと検索エンジンを使いたいかを尋ね、アプリ選択の自由を明示していくと発表した。向こう数カ月中に実施する予定という。
これは、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が昨年7月にGoogleがAndroidで独禁法に違反したとして43億4000ユーロの制裁金を科したことを受けた改善策の一環だ。
欧州委員会は、Googleが公式アプリストア「Google Play ストア」のアプリをプリインストールしたいAndroid端末メーカーに対し、「Google検索」と「Chromeブラウザ」、その他の公式アプリもプリインストールすることを義務付けたことが独禁法違反だとした。
これを受けてGoogleは昨年10月、欧州での公式アプリのライセンス方法を変更し、各アプリのライセンスを分けた。
Googleは、Androidユーザーは既に好きなWebブラウザや検索エンジンをインストールできるようになっているが、どのアプリを選びたいかを尋ねることで、幅広い選択肢があることを確実に知ってもらえるようになるとしている。
Googleは、過去10年近くにわたって欧州委員会との話し合いで、オープンで健全な市場のために製品やサービスを改善してきたとアピールした。
欧州委員会は翌日、GoogleのAdSenseによる独禁法違反の制裁金を発表した。
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