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Alexaがやってることは“盗聴”なのか? スマスピを使うリスクとメリットITりてらしぃのすゝめ(1/3 ページ)

AIアシスタントの「Alexa」で取得した音声記録の一部をAmazonの従業員が聞いていたという報道が話題に。スマートスピーカーは“盗聴器”なのか?

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 先日、わが家にあるAmazon製タブレット「Fire HD 10」も無事「Showモード」がアップデートにより追加されました。Showモードはディスプレイ付きのスマートスピーカー「Amazon Echo Show」と同等の機能を、タブレットで実現するというものです。この機能をオンにすると、タブレットに向かって「アレクサ」と呼び掛けることで、スマートスピーカーのように使えるようになります。便利ですね。

 実は私、スマートスピーカーの「Amazon Echo」を随分前に(とても安いときに)購入し、一時期はよく使っていました。特にニュースを流し聞きするには大変便利で、NHKラジオやJ-WAVEのニュースがそのまま好きなときに聞けます。しかし、寝室に置いていたためか、いつしか使わなくなっていきました。リビングに置いたままのタブレットで同じことができるなら、再度使ってみようかなと思っています。

連載:ITりてらしぃのすゝめ

「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。

(編集:ITmedia村上)

そんなときにやってきた、不穏なニュース

 そして先日、少々気になるニュースがありました。米Amazon.comのスマートスピーカーが収集した音声記録の一部が、同社の従業員に「聞かれている」という報道です。

 Amazonが、AIアシスタント「Alexa」の品質改善のため、利用者が発した言葉を含む音声記録を聞いて精度向上に努めているというものです。同社によると、専任の従業員は秘密保持契約が結ばれている他、ユーザーの個人情報も分からないようにしているそうです。

 また、日本でもAlexaの音声を聞いてテキスト化する専任従業員を募集していることも話題になりました。

 この報道をどのように受け取るべきでしょうか。「Amazonがわが家を盗聴しているのは怖い」と思う人もいれば、「特に聞かれて困ることもないから気にしない」と考える人もいるでしょう。

 個人的には過度に恐れたり無関心であるよりは、“適切に怖がる”ことができると良いかなと思っています。そのヒントになるかもしれないポイントをあらためて考えてみましょう。

スマートスピーカーはなぜ安いのか

 まずはスマートスピーカーのお値段を考えて見たいと思います。日本語での音声認識を行い、それに合わせた返答をしてくれるという夢のようなデバイスは、原稿執筆時点ではわずか3980円(税込)で販売されています。

スマスピ
Amazon「Echo Dot」はセールで3980円でした(割り引きは4月23日まで)

 普通に考えると、非常に高度な技術が必要な日本語の音声認識が、こんなに小さなデバイスで安価にできるというのは驚きです。その理由は簡単、デバイスとしてはいくつかのボタンとネット接続のための無線LAN部分、そしてマイクとスピーカーが搭載されているだけで、処理は全てクラウドで行われるからです。

 高度な判断を行うモジュールは内蔵されていませんので、通常のスピーカーにそれなりのプロセッサが搭載されているだけ、ともいえます。

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