Facebookの「未来はプライベート」──ザッカーバーグCEOのF8基調講演
Facebookの開発者会議「F8 2019」で、マーク・ザッカーバーグCEOがFaceookのニュースフィードのようなパブリックなサービスからFacebook MessengerやInstagramのストーリーのようなプライベートなサービスにフォーカスを移していくと語った。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは4月30日(現地時間)、年次開発者会議「F8 2019」の基調講演で、Facebookの目指す「未来はプライベート(The Future is Private)だ」と語った。
同氏は3月、米Washington Postへの寄稿で、企業としてこれまで注力してきたオープンな“町の広場”のようなサービスからプライベートな“リビングルーム”のようなサービスにシフトすると語っており、今回の基調講演では、そのリビングルームを作るための、“Facebookファミリー”の新機能追加などについて語った。
例えばFacebookアプリは、広場に相当する「ニュースフィード」よりも、よりプライベートな「グループ」と「イベント」を中心に据える。この変更はまずモバイルアプリで、向こう数週間中に世界にローリングアウトし、Webアプリもそれに続く。
プライベートなつながりをサポートする「Facebook Messenger」はデスクトップアプリも追加し、パフォーマンスも改善する(関連記事)。「Instagram」も、パブリックな投稿より「ストーリー」を拡充する(関連記事)。また、もともとプライベートでエンドツーエンドの暗号化がウリの「WhatsApp」を「Portal」(日本では未発売)で利用できるようにすることで、Portalでのコミュニケーションがよりプライベートにできると語った。
Facebookは過去数年、ユーザーのプライバシーの取り扱いで様々な批判を浴びている。ザッカーバーグ氏は基調講演で「多くの人がFacebookはプライバシーを重視していないと思っていることは理解している。われわれは現在、プライバシーについて最高の評価を受けていない。だが、われわれは製品の新たな章を開始する」と語った。
基調講演の最後には「これは、新製品を構築するだけではない。Faceboookの運営方法の大きな転換だ。プライベートでも公共の場でも、われわれが生きていきたい未来の構築を目指す」と語った。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- Facebookが「プライバシー重視」に方向転換 その本当の狙いは?
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが発表した「プライバシー重視のソーシャルネットワーキングビジョン」は、大きな方向転換として米国で注目を集めています。個人情報の取り扱いで批判を浴び続けてきた同社は、どう変わろうとしているのでしょうか。 - Facebook Messenger、高速化し、WindowsおよびmacOSアプリ登場へ
Facebookが年次開発者会議「F8 2019」でFacebook Messengerのデスクトップアプリやビデオチャットでのビデオ鑑賞機能、アプリの高速化などを発表した。 - Instagram、ストーリーのカメラの刷新、画像不要の「Create Mode」などの新機能
Instagramストーリーのカメラのデザインがもうすぐ変わり、画像不要の「Create Mode」が選べるようになる。セレブやアーティストの投稿に写っているアイテムを購入する機能のテストも始まる。 - Oculus QuestとRift Sが予約開始
Oculus VRのVR HMD新製品が発表された。Oculus Questは待望のルームスケールスタンドアロン製品だ。 - FacebookのザッカーバーグCEO「プライバシー重視のプラットフォームを構築する」
プライバシー問題で批判が高まるFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが、従来のオープンなプラットフォームではなく、プライバシー重視のプラットフォームを構築すると発表した。エンドツーエンドの暗号化などで、決済や金融取引にも使えるものにするとしている。 - Facebookのプライバシー問題、カナダが提訴、アイルランドとニューヨークが調査開始
Facebookの個人情報取り扱いについて、カナダ当局が提訴し、アイルランド当局はパスワード平文保存について、ニューヨーク司法長官は連絡先データの無断収集についてそれぞれ調査を開始した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.