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駅の○番線ってどうやって決めているの?

駅のホームには必ず「1番線」「2番線」のように、数字が割り振られています。しかしどうしてそこに、その番号が割り振られているのでしょう。

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 駅のホームには必ず「1番線」「2番線」のように、数字が割り振られています。しかしどうしてそこに、その番号が割り振られているのでしょう。実は鉄道会社ごとにルールに近いものがありました。


かつての「北斗星」。上野駅のくし形ホーム13番線から発着していました(2007年8月 筆者撮影)

連載:非テツでも楽しめる、テツ好きが注目するチマタの話題

ここでは鉄道に関するちょっとした豆知識をお伝えすることで、何となく知識が増えたなとか、みんなが知らないことが自慢できたりとか、まあそんなことを目指してお届けしていく、テツの与太話です(作倉瑞歩)


国鉄は駅長室が起点だった

 ホームの番号割り当ては、特に法律で決まっているわけではありません。JRが国鉄だった時代には、駅長室の近いホームから1番線、2番線と割り振られました。例えば新宿駅の場合は東口に駅長室がありますので、一番東にある埼京線側が1番線になります。JRになってからもこの流れは受け継がれているようで、新しくできる高輪ゲートウェイ駅も高輪側に駅舎があるため、西側の山手線内回りが1番線になっています。


高輪ゲートウェイ駅。赤枠の数字で分かるように山手線内回りが1番線です

 ただ、東京駅はちょっと複雑です。基本的には駅長室のある駅舎が丸の内側にあるため、それに近い中央線が1番線で新幹線ホームに向かって数字が上がっていくのですが、東海道線下りの東海道線10番線の隣には、新幹線ホーム(東北、山形、秋田、北海道、上越、北陸)があり、これらは20番〜23番線とずいぶん数字が飛んでいます。しかも23番線の後は14番線に戻り、15番、16番と続きます。


東京駅の構内図(出典:JR東日本Webサイト)

 これには歴史的な経緯があります。1991年に東北・上越新幹線が東京駅まで延伸されたとき、東海道線の12、13番線を改修して新幹線ホームを作りました。しかし、新幹線はその後も増えていきます。長野新幹線開業時に新幹線のホームを増やすため、中央線の1、2番線を高架ホームとし、3〜10番線を丸の内側にずらしました。

 その際、番号の付け替えを行い、当時の9、10番線の位置にあるホームを20、21番線に、続く12、13番線を22、23番線に変えました。20、21番線は新しく作られたホームだったため、当時の最終ホームである東海道新幹線の19番線の次として割り当てられたのですが、結果として入れ子のような位置関係になってしまいました。

 そして東京駅に11番線ホームは存在しません。これは11番線が回送列車用の線路で、ホームが必要なかったためです。また、地下を走る総武線快速や横須賀線は地下1〜4番ホーム、京葉線は1、2番ホームと別枠のような扱いになっています。複雑ですね。

私鉄各社はバラバラの模様

 JR以外の私鉄各線ですが、それぞれの鉄道事業者で付け方が変わります。東武鉄道や東急電鉄、小田急電鉄、京王電鉄、京浜急行は、都心から離れていく下りが1番線です。

 東京メトロはよく分からなかったので広報に問い合わせたところ、「開業された方向に向かう列車が発着するホームに、奇数の若い番号が割り振られる」とのこと。つまり日比谷線であれば、北千住から中目黒方面に延伸されたので、秋葉原駅では中目黒方向が1番線、北千住方向が2番線となります。同じように副都心線だと、池袋から渋谷方向に延伸されたので、北参道駅では池袋から渋谷に向かうのが1番線、和光市に向かうのが2番線です。

 また東京メトロでも多くの路線が乗り入れている駅では開業した順番で若い方から割り振られます。例えば大手町駅は、丸ノ内線(1956年)が1、2番線、東西線(1966年)が3、4番線、千代田線(1969年)が5、6番線、半蔵門線(1989年)が7、8番線となっています。

 大手町駅や神保町駅、九段下駅のように都営地下鉄と東京メトロの乗換駅となっている場合、○番線の呼称は駅全体で統一されておらず、それぞれの路線で1番線、2番線と割り振られています。駅によって、いろいろと事情があるのですね。

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