コロナ対策で政府がオープンデータに本腰 民間の支援情報をGoogleスプレッドシートで公開
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、政府や自治体によるオープンデータの公開や活用がにわかに進んでいる。政府は3月10日、民間が提供している新型コロナ対策支援サービスなどのデータを標準化して公開する「#民間支援情報ナビ」プロジェクトを、エンジニアの民間団体Code for Japanと共同で始めた。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、政府や自治体によるオープンデータの公開や活用が活発化している。
内閣官房と総務省、経済産業省は3月10日、民間が提供している新型コロナ対策支援サービスなどのデータを標準化して公開する「#民間支援情報ナビ」プロジェクトを、エンジニアの民間団体Code for Japanと共同で始めた。
自宅学習用のオンライン教材無償提供など、民間の支援サービスをGoogleスプレッドシートに集約。誰でもアクセス・利用できる。このデータの活用例として、収録データを検索できるサイト「VS COVID-19 #民間支援情報ナビ」をCode for Japanが公開した。
政府は、公開したデータを使ったさまざまなアプリ開発を奨励していく他、新型ウイルス対応に関する政府の事業者支援情報についても、検索しやすい情報サイトを作る予定だ。
#民間支援情報ナビは、標準のデータフォーマットを政府が提供し、産業界の各団体に情報提供を依頼。団体所属企業は、新型コロナ対策支援サービスのデータを入力して提供する。提供されたデータは政府が集約し、オープンデータとして順次公開する――という取り組み。
検索サイト「VS COVID-19」では、教育や学習支援、テレワークなど、新型コロナ対策支援として企業が無償や低価格で提供しているサービスを横断検索できる。例えば、「プログラミング」と入力すれば、民間から無償提供されているプログラミング学習サービスを一覧でチェック可能だ。
3月10日午後5時時点で登録されているサービス108で、学習支援やテレワークサービスが主体。企業から提供されたデータを順次登録していくことで、内容を拡充していく。
ITを活用した社会課題の解決をめざす非営利団体・Code for Japan(担当:福野泰介 内閣官房オープンデータ伝道師/jig.jp会長)が、データの公開と検索サイトの開発を行った。政府は「本オープンデータを活用することで、さまざまな団体が、さらなる情報収集、創意工夫のもとにさまざまなアプリケーションを開発することを奨励していく」としている。
新型コロナウイルス感染症対策に関する官民のオープンデータの取り組みとしては、東京都が3月4日、都内の感染者数などをまとめた対策サイトを、民間のエンジニアと共同で開発して公開。コードをGitHubで公開してプルリクエストを受け付け、台湾の“天才IT大臣”唐鳳(オードリー・タン)氏が開発に参加するなど話題になっていた。
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