トランプ大統領のタルサ集会「空席が多かったのはTikTokユーザーのたくらみのせいではない」と陣営幹部
トランプ大統領が当初Juneteenthに計画し、批判を受けて翌日にオクラホマ州タルサで開催した大統領選に向けた集会の参加者は、スペースの3分の1に満たなかった。TikTokユーザーが組織的にオンライン入場券を申し込んで参加しないことで影響を与えたと報じられたが、陣営はこれを否定した。
ドナルド・トランプ米大統領が6月20日(現地時間)にオクラホマ州タルサで開催した大統領選に向けた大規模集会は、米Forbesによると、1万9200人収容の会場に約6200人しか集まらないという空席の目立つものになった。
米New York Timesは、「10代のTikTokユーザーとK-Popファンがイベントを失敗させるために数十万のチケットを入手した」と報じた。
この大会は当初、奴隷解放記念日の6月19日(Juneteenth)に予定されていたが、批判が高まる中、翌日に延期された。トランプ氏はこの記念日について知らなかったという。ジョージ・フロイド氏が白人警官の暴行で亡くなったことを契機に再燃する人種差別運動の中、3カ月ぶりの集会開催地としてタルサを選んだことも批判されている。タルサでは1921年、黒人の大量虐殺が行われたことで知られているからだ。
米CNNは16日、タルサ集会に反対するTikTokユーザー、メアリー・ジョー・ラウップさん(51)が「集会の無料入場券をオンラインで入手して欠席することで、“彼”を無人のステージに立たせよう」という投稿を12日にしたところ、70万以上のいいねを獲得したと報じた。主にK-Popファンなどがこれを拡散し、組織的に入場券申し込みを行ったという。
この運動の影響だけかどうかは分からないが、トランプ陣営幹部のブラッド・パースケール氏は15日、「チケットが80万枚を超えた。史上最高のサインアップだ」とツイートした。トランプ陣営は会場の近くにさらに4万人分のスペースを用意した。
パースケール氏は21日、「左翼とオンライントロールたちは、集会の参加人数に何らかの影響を与えられたと思い込んで勝利宣言をしているようだが、彼らは集会の入場システムについて理解していない。(中略)申し込みでは電話番号の登録が必要で、偽の番号はすべて削除しているので、偽のチケット申し込みは何の影響も与えていない」とし、TikTokユーザーらの行為を「愚かなたくらみ」と非難した。
さらに、「TikTokとK-Popのファンについての記事を喜々として書いた記者は、われわれに確認もしないという素人ぶりで、いたずらにまんまとだまされた」とメディアも非難した。
そして、参加者が想定より少なかった理由について、「フェイクニュースメディアが新型コロナウイルスや人種差別運動などについておおげさに報道したことが、集会に家族や子どもを連れて行くことに本当の影響を与えた」と主張した。
トランプ陣営が公開したタルサ集会の動画を以下に転載しておく。当然だが動画には空席は映っていない。
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