GAFAの4CEO、Cisco Webexでの公聴会を概ね無難に乗り切る
Google、Apple、Facebook、Amazon.comのCEOが初めてそろった米下院の公聴会はCiscoのWebexによるWeb会議で行われた。3時間にわたる公聴会で4人は世界規模でみれば市場独占には程遠いと主張した。
米下院独占禁止法小委員会は7月30日(現地時間)、Google、Apple、Facebook、Amazon(GAFA)のCEOを召喚する公聴会を開催した。コロナ禍への配慮で4人のCEOと一部の議員はオンラインでの参加だった。
採用されたWeb会議システムはGoogleの「Meet」でもFacebookの「Rooms」でも、「Zoom」でもなく、Cisco Systemsの「Webex」だった。
プラットフォーム大手の優位性がテーマの公聴会は間に休憩を挟んで約3時間にわたった。公聴会の前に4CEOが提出した冒頭陳述原稿では、それぞれのCEOは主に世界市場の規模で見れば市場を独占していないと主張しており、公聴会でもその主張を繰り返した。
Googleのスンダー・ピチャイCEOは、検索結果の制御、ユーザーデータの広告での利用、検索結果表示でコンテンツを盗んでいるという批判など、多岐にわたる質問で責められた。共和党のキャンペーンメールだけスパム扱いされるのはなぜだ、という質問もあったが、ピチャイ氏は静かにGmailのタブ構造について説明し、「プライマリタブには友人や家族からのメールが表示される」と語った。
Amazonのジェフ・ベゾスCEOへの質問も多かった。主にマーケットプレイスについてで、Amazonがサードパーティの販売データを自社に有利になるよう利用しているのかというものだ。ベゾス氏は内部調査中であり、その結果を委員会に報告すると約束した。
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOに対しては、企業買収に関する質問が多かった。米司法省による1年以上にわたる独禁法違反調査で押収されたInstagram買収に関連する社内メールを取り上げ、将来の競争相手の排除が目的だったのではないかと指摘する質問に対しては、「当時、Instagramを(Facebookと同じ)ソーシャルネットワークだと考える人はほとんどいなかった」と主張した。
Appleのティム・クックCEOへの質問は少なかった。App Storeでの不公正さ、製品工場での“奴隷労働”などについて質問された。
この公聴会は、1年以上続いている4社に対する独禁法についての調査を補完する目的で開催された。
関連記事
- Google、Apple、Facebook、AmazonのCEO公聴会、延期に【UPDATE】7月29日に決定
米下院独占禁止法小委員会が7月27日に予定していたGoogle、Apple、Facebook、AmazonのCEOを召喚する公聴会を延期した。同日予定される国会議事堂での故ジョン・ルイス下院議員の葬儀と重なるためとみられる。 - GAFAの4CEO、下院独禁法小委員会の公聴会に召喚
米下院独占禁止法小委員会が7月27日に開く公聴会に、GoogleのピチャイCEO、AppleのクックCEO、FacebookのザッカーバーグCEO、AmazonのベゾスCEOを召喚した。 - 欧州委員会、Appleを独禁法違反の疑いで調査開始 App StoreとApple Pay
App StoreとApple Payの2つがそれぞれ調査される。 - AmazonのベゾスCEOに下院が証言要請 不正競争報道で
米下院が、Amazonのジェフ・ベゾスCEOに証言を求めた。同社がサードパーティ販売業者の機密データを使って競合製品を開発していると指摘する報道が真実であれば、昨年の公聴会での同社の証言と矛盾する。 - Facebookの全社会議Q&A録音がリーク 企業分割やLibra、競合についてのザッカーバーグCEOの社内向け説明
Facebookが7月に行った全社会議の録音を米The Vergeが入手し、マーク・ザッカーバーグCEOと従業員の質疑応答の一部を記事として公開した。TikTok攻撃計画やウォーレン議員が主張するGAFA分割案について説明している。 - 米司法省、IT大手を独禁法違反の疑いで調査すると発表
米司法省が、“市場をリードするオンラインプラットフォーム”を独禁法違反の疑いで調査すると発表した。具体的な調査対象は挙げていないが、「検索、ソーシャルメディア、オンライン小売りサービス」としており、いわゆるGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)を指すとみられる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.