AppleとGoogle、曝露通知APIをアップデート 国家間の相互運用性追加他多数の改善
日本の新型コロナ接触確認アプリ「COCOA」でも採用されているAppleとGoogleが共同開発した曝露通知APIがアップデートされた。国家間の相互運用性が追加され、デバイス検出精度が上がり、ユーザーインタフェースも改善した。
米Googleは7月31日(現地時間)、5月に提供を開始した新型コロナウイルス感染症の曝露通知システム(Exposure Notification System、以下「ENS」)のAPIをアップデートしたと発表した。
このAPIは現在、日本の「COCOA」など、世界16カ国の公衆衛生当局が公開した接触確認アプリで採用されている。
このアップデートでは、各国政府からのフィードバックに基づき、国家あるいは州の間の相互運用性をサポートする。感染者の登録は国ごとのサーバに保存されるため、これまでは例えば海外で感染した人が帰国して発症した場合、感染地の濃厚接触者には通知が送られない仕組みになっていたが、これが改善される。
また、曝露が検出された場合のリスクレベルを公衆衛生当局が柔軟に決定できるようになる。
Bluetoothのキャリブレーション値が更新され、デバイスの検出が改善される。
アプリの操作性も改善し、例えばAndroid版ではアプリのトップページで簡単にオン・オフを切り替えられるようにした。さらに、ENSが有効な場合、定期的に有効になっていることの通知を表示する。
同社はまた、米国では接触通知アプリを20の州政府がそれぞれ提供する予定であることも明らかにした。ただし、これらの州のキーサーバは米公衆衛生試験所協会(APHL)がホストすることで、アプリユーザーが州間を移動した場合でもアラートを受け取れるようになる見込みだ。
【更新履歴:2020年8月2日午後10時00分 暴露となっていたものを曝露に修正しました。】
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