「飲食店の電話予約を受けるAI」登場 客の話を音声認識、日時と人数をシステム入力
飲食店の予約管理システムを手掛けるエビソルが、顧客からの電話予約にAIが自動対応するサービス「AIレセプション」を10月に始める。業界内で人手不足が深刻化する中、従業員が接客や調理に集中できる効果を見込む。
飲食店の予約管理システムを手掛けるエビソルは10月、顧客からの電話予約にAIが自動対応するサービス「AIレセプション」を始める。独自のAIスタッフ「さゆり」が合成音声で顧客と会話し、来店者数と日時を聞いた上で、エビソルの予約管理システム「ebica」に自動入力する仕組み。電話対応を効率化し、従業員が接客や調理に専念できるようにする。
さゆりは、LINEが外部に提供している音声AI「LINE AiCall」をベースに開発。顧客が電話で「今から空いていますか?」と聞くと、「何名様になりますか?」と人間に近い音声で返答するなど、自然な会話ができるという。
ebicaの予約データを読み込み、「夜の7時でしたらご案内できます」と空き時間を提案することも可能。満席の場合は、別の時間帯を提案したり、近隣の系列店に案内したりできる。予約時間の再確認や、深夜など営業時間外の電話にも対応可能としている。
エビソルによると、飲食業界ではグルメサイトの普及によってネット予約が増加しているものの、電話予約も依然として多く、全体の半数以上を占めている。翌日、当日の予約は特に電話の比率が高くなるという。
その一方で、店舗では人手不足が続いている。新型コロナウイルス感染拡大が状況に拍車を掛けており、感染防止の観点から、店舗に配置する人員を減らしている飲食店もあるという。店員の人数が少なく、顧客から電話があった場合は調理や接客の手を止めて対応する必要があり、業務効率の低下が起きているとしている。
こうした状況の改善に向け、エビソルはAIレセプションを今後1年間で3000店舗に導入する目標を掲げている。同社は「予約管理の自動化を通して、飲食店が接客や調理など『人だからこそできる業務』に注力し、生産性とホスピタティを向上できるよう支援したい」としている。
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