Microsoft、TikTok買収を断念
Microsoftが、TikTok買収で交渉中のByteDanceから、同社にはTikTokを売却しないと通告されたと発表した。9月15日までに交渉中のOracleなどの米企業がTikTok事業買収で合意に達せない場合、米国でのTikTokサービスは停止する見込みだ。
米Microsoftは9月13日(現地時間)、交渉中だったTikTokの米国での事業買収につき、中国ByteDanceから同社には売却しないと知らされたと発表した。
Microsoftは1段落の公式ブログで、「われわれの提案は、国家安全保障上の利益を守りながらTikTokのユーザーにとっても利するものだった。(中略)今後サービスがどのように進化するのか楽しみにしている」と語った。
TikTok事業買収交渉にはMicrosoftの他、米Oracle、米Twitter、米Walmartも参加中と報じられている。
ドナルド・トランプ米大統領は当初、9月15日までに米国企業による買収の合意に達せなければ米国でのTikTokサービス提供を停止されるとしていた。その後、8月14日から90日以内に売却またはスピンオフすることを強制する大統領令に署名したが、10日、合意期限は延長しないと語った。
一方、中国政府は8月末に技術輸出に関する新たな規制を発表しており、TikTokサービスのキモであるおすすめ動画のアルゴリズムはこの規制によって売却できない可能性が出てきた。香港メディアのSouth China Morning Postは同日、この件に詳しい情報筋の話として、ByteDanceはアルゴリズムを販売あるいは譲渡しないと決定したと報じた。
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