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Alphabetの次のムーンショットは“農業” 畑ロボットでデータ収集中

Googleの親会社、Alphabetのムーンショット部門が、新プロジェクト「Mineral」を発表した。農作物の複雑さを管理するツール開発に取り組む。ツールの1つは、植物のデータ収集用ロボット「Plant buggy」だ。

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 米Alphabetの“ムーンショット”部門Xは10月12日(現地時間)、新プロジェクト「Mineral」(ミネラル)を発表した。農業を改革し、生産性の高い食料生成システムを構築することを目指すという。

 このプロジェクトは、地球温暖化や世界人口の増加で近いうちに食糧難が予測される中、地球規模で持続可能な食糧を育てるためには、農業の驚異的な複雑さを管理するための新しいツールが必要であるという洞察からスタートしたとしている。ミネラルというプロジェクト名は、「地球上の生命を維持する上で鉱物が果たす重要な役割へのオマージュ」。

 農業の専門家を交え、AIやロボット工学を駆使して新しいツールの開発に取り組んでいる。

 そのツールの1つは、カメラやセンサーを搭載し、畑の農作物を観察し、データを収集する農業ロボット「Plant buggy」(以下、バギー)だ。

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畑を巡回するPlant buggy(プロトタイプ)

 バギーは過去数年間、カリフォルニア州のいちご畑やイリノイ州の大豆畑を走行し、それぞれの細かいデータを集めてきた。バギーが収集したデータを、衛星画像、気象データ、土壌情報などの他のデータセットを組み合わせることで、成長の全体像を生成し、機械学習で環境と農作物の成長の相互作用についての有用なパターンを特定していく。

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大豆畑でデータ収集中のバギーたち

 バギーは上部に設置した太陽電池を使って低排出電力で稼働する。形やサイズにはバリエーションがあり、メロン、ベリー、レタス、油糧種子、オート麦、大麦などで稼働してきた。

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Plant buggy

 Mineralのチームは現在、米、カナダ、アルゼンチン、南アフリカの先進的な農業従事者と協力している。「われわれのツールで、人々と共に、より持続可能で回復力があり、生産性の高い食料生成システムを構築できるようになることを願っている」という。

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