Facebook、クラウドゲーム参入(ただしAppleの制限でiOSには非対応)
Facebookもクラウドゲームに参入する。MicrosoftやGoogle、Amazonと異なり、サブスク制ではなく、Facebook内で無料で「Asphalt 9: Legends」などをプレイできる。ただし、Appleの制限のせいでiOSには対応できないとしている。
米Facebookは10月26日(現地時間)、FacebookアプリとWebブラウザでプレイできるクラウドストリーミングゲームをまずは米国の一部地域で公開した。Microsoft、Google、Amazonに続く、IT大手によるクラウドゲーム参入になる。
ただし、MicrosoftのxCloud、GoogleのStadia、AmazonのLunaと異なり、サブスクリプション制ではなく、少なくとも立ち上げ段階では無料だ。また、専用のアプリがあるわけではなく、Facebookアプリの「ゲーム」タブやニュースフィード上からそのままゲームを始められる。つまり、ゲームでの収益アップではなく、Facebook上でのユーザーの滞在時間を増やし、広告収入につなげることが目的だ。
立ち上げ段階のゲームのラインアップは、Gameloftの「Asphalt 9: Legends」、Moontonの「Mobile Legends: Adventure」、Concrete Softwareの「PGA TOUR Golf Shootout」など。いずれも既にモバイルアプリが出ているものだ。Facebook内でプレイするメリットは、アプリをダウンロードしなくていいことや、Facebookアカウントでログインできること。さらに、例えば既にゲームのAndroidアプリを持っている場合は、PCのWebブラウザでプレイしていたゲームの続きを同じFacebookアカウントでAndroidアプリにログインしてプレイできる。また、実名ではなく「Player Name」とアバターでプレイできる。
FacebookはiOS版Facebookアプリがゲームストリーム機能に対応しないことについて、「Appleは新しいクラウドゲームに関するポリシーに変更したが、それでもFacebookアプリにゲームストリーム機能を追加できるかどうか分からない。(中略)Webブラウザに対応するとはいえ、Safariで提供できるものには制限がある」とし、「Appleはゲームの扱いを変え、貴重なリソースを管理している」とAppleを非難した。
Facebookは8月、ライブ動画の新機能追加に当たり、Appleの30%の手数料について批判し、iOS 14のプライバシー機能が広告主に影響すると批判した。
関連記事
- AppleのApp Storeガイドライン改定でiOS端末でのゲームストリーミングが可能に
Appleが、アプリストアへのアプリ登録のガイドラインを改定した。この改定で、「ストリーミングゲームは、すべてのガイドラインに準拠する限り許可される」という条項が追加された。だが、ガイドラインはストリーミングのメリットを損なうとMicrosoftはメディアに語った。 - Facebook、「iOS 14の新機能は多数の開発者と広告主を傷つける」
Appleが9月中にもリリースする見込みの次期モバイルOS「iOS 14」の新たなプライバシー機能についてFacebookが、同社の広告サービスに大きな影響を与え、「多数の開発者と広告主を傷つける」と主張した。 - FacebookのWebアプリ新デザインが全ユーザーにロールアウト ダークモードあり
Facebookが、昨年のF8で予告したFacebook.comの新デザインを全ユーザー向けに提供開始した。メニューからのオプトインで切り替えられる。ニュースフィードよりグループや動画に重点を置いたデザインだ。 - ゲーム実況サービス「Facebook Gaming」の単体Androidアプリ誕生(iOSは認可待ち)
Facebookがゲーム実況をスマートフォンで視聴するための単体アプリ「Facebook Gaming」をまずはAndroid版でリリースした。実況の視聴だけでなく、配信も可能な他、Facebookのカジュアルゲームもプレイできる。 - Facebook、VRゲームのSanzaru Gamesを買収 Oculus Studio傘下に
Facebookが人気VRゲーム「Asgard’s Wrath」などの開発元であるSanzaru Gamesを買収した。Oculus Studio下の独立スタジオとして、Oculus向けゲームを開発していく。 - Amazon、「Luna」でクラウドゲーム参入 AWSでホストし、PC、Mac、iOS、Fire TVサポート
Amazonがクラウドゲームサービス「Luna」を発表した。10月に米国で開始する。早期アクセスのサブスク料は月額5.99ドル。PC、Mac、iOS端末とFire TVで利用可能だ。AWSでホスティングし、専用コントローラも約50ドルで発売する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.