楽天モバイル、MNP転出手数料0円に 本人確認にAIによるeKYC導入
楽天モバイルが携帯電話の契約やMNP転出の手数料の無料化を発表した。本人確認にはAIによるeKYCを導入し、回線の即日開通を実現する。
楽天モバイルは11月4日、携帯電話の契約やMNP転出の手数料の無料化を発表した。同日に発表した「携帯キャリアの常識を覆す」という取り組み「ZERO宣言」の一環として実施する。
楽天モバイルは、通信プランの契約解除料やSIM交換手数料などを無料で提供している。これらに加え、契約手数料と、電話番号はそのまま他社サービスに乗り換えるMNP転出の手数料を無料化する。専用機器を使わずに通信ネットワークを構築できる仮想化技術を活用して運用コストなどを削減したため、無料化を実現できたとしている。
ユーザーの利便性向上に向けては、契約時にAIを活用したオンライン本人確認(eKYC)を9日に導入する。スマートフォンで運転免許証と自分の顔を撮影してアップロードするとAIが顔認証で瞬時に本人確認を行う。本人確認からSIMカード配送までは通常2〜7日掛かるが、時間短縮によりSIMカードが不要なeSIM対応端末の場合は回線を即日開通できるとしている。
MNP手数料の無料化やeSIMの活用は、携帯キャリアの公正な競争を後押しするため総務省が10月27日に発表した行動計画の中で言及したもの。これを受け、ソフトバンクは28日にMNP転出手数料の廃止を発表した。
楽天モバイルは今後、2021年3月までに人口カバー率80%を目指して自前の基地局整備を進める。楽天モバイルにローミングを提供しているKDDIは、楽天モバイルの基地局による人口カバー率が70%を超えた時点でローミングを終了するとしているが、楽天モバイルはユーザーへの影響について「KDDIと調整しながらやっていて、基本的には問題ない。ごくごく一部では影響が出るかもしれないがきちんと対応していきたい」と説明している。
関連記事
- 携帯料金値下げ、総務省が行動計画 MNP手数料の無料化やeSIM活用など
総務省が携帯料金引き下げなどの政策をまとめたアクションプランを発表。MNP手数料の無料化やeSIMの活用などによって、市場の公正な競争を後押しする。 - ワイモバイル、月20GB・4480円の新プラン 12月下旬に提供 MNP転出手数料は撤廃
ソフトバンクが、ワイモバイルのスマートフォン向け新料金プラン「シンプル20」を発表。月間データ容量は20GBで、基本料金は4480円(税別)。12月下旬から提供する。 - KDDI、楽天モバイル向けローミングを東京・大阪・奈良の大半で終了へ【追記あり】
KDDIが楽天モバイルへのローミングサービスを、東京都、大阪府、奈良県の大半で順次終了する。 - 5G目当てにiPhone 12を買うのはアリ? 5Gは今どこで使える? 国内事情を徹底チェック
iPhoneで初となる5G対応のiPhone 12シリーズが発表された。5G目当てで新しいiPhoneを選ぶという行為に意味はあるのだろうか。日本での5G関連の動向を踏まえ考えてみる。 - 「総務省のガイドラインを順守している」 楽天モバイル、スマホ販売で2万円相当を超えるポイント還元施策
楽天モバイルが、対象のスマートフォンと通信プランをセットで申し込んだ人に合計で最大2万6300円相当のポイント還元を行うキャンペーンを始めた。今回のキャンペーンは総務省のガイドラインに沿って実施するとしている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.