短命の超短編配信サービス「Quibi」のコンテンツをストリーミング端末のRokuが買収
CES 2020で華々しく発表されたがユーザー数が伸びずに10月に終了した超短編動画配信サービス「Quibi」のコンテンツを、米ストリーミング端末シェアトップのRokuが買収した。RokuはQuibiのコンテンツをユーザーに無料で提供する計画だ。
米ストリーミング端末シェアトップの米Rokuは1月8日(現地時間)、昨年10月にサービスを終了した超短編配信サービスQuibiのコンテンツと配信権を買収したと発表した。買収総額など取引の詳細は不明だが、米Varietyによると1億ドル未満という。
Quibiは米The Walt Disney Studiosの元会長、ジェフリー・カッツェンバーグ氏が立ち上げ、米HPEの元CEO、メグ・ホイットマン氏がCEOを務めた動画配信サービス企業。CES 2020でサービスを発表し、4月にスタートしたがユーザー数が伸びず、数カ月で終了し、コンテンツとプラットフォームの売却先を探していた。
サブスクリプション料金は、広告付きは月額4.99ドル(約525円)、広告なしは月額7.99ドルで、ハリウッドレベルの1回10分未満のコンテンツが売りだった。
Rokuは獲得したQuibiのコンテンツをすべて加入者に無料で提供する計画だ。
Rokuは米Amazon.comの「Fire TV」や米Appleの「Apple TV」(ハードウェア)、米Googleの「Chromecast」シリーズと競合するストリーミング端末サービス。北米と英国でのみサービスを提供しており、「Netflix」「Prime Video」「Apple TV(サービス)」「YouTube」「Disney+」など幅広いサービスをサポートする。
NPDのWeekly Retail Tracking Service調べでは同社の「Roku TV」は2020年、米国で市場シェアの38%を占めてトップだったという。
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