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Amazon従業員による初の労組結成ならず

Amazon.comのアラバマ州にあるフルフィルメントセンターで実施された労働組合結成の投票結果は、反対票が圧倒的多数だった。組合結成を支援するRWDSUは連邦政府の行政機関にAmazonの不正を申し立てるとしている。

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 米Amazon.comは4月9日(現地時間)、アラバマ州ベッセマーのフルフィルメントセンターで行われた労働組合結成の投票の結果、小売業界の労働組合であるRWDSUへの加入に投票したのは従業員の16%だけで、加入は見送りになったと発表した。

 同社は発表文で「Amazonが従業員を脅迫することでこの選挙に勝ったと組合が主張することは予測できるが、そうではない。(中略)従業員が組合加入に反対票を投じることを選んだ」と語った。

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 ベッセマーのフルフィルメントセンターは約6000人が働く大規模センターだ。労働組合結成の取り組みは、一部の従業員が昨年夏、厳しい労働環境についてRWDSUに相談したことで始まった。RWDSUはセンターの労働者の署名3000人分を集めて連邦政府の独立行政機関で組合結成を監督するNLRBに組合結成投票実施を申請し、NLRBが1月15日、Amazonに選挙実施を通告した。投票は2月8日に郵送で行われ、開票は3月30日に開始された。

 3000人が組合結成賛同の署名をしたにもかかわらず、実際の投票では約3000票のうち反対が1798票と圧勝だった。

 選挙実施通告から投票まで、Amazonと従業員側、第三者はSNSなどで激しい運動を展開した。例えば、配送員は時間に追われ、ペットボトルに排尿しなければならないというツイートが拡散し、Amazonは最終的にはそれが事実だと認めた

 Amazonが、従業員に組合結成に反対するよう説得することで知られるコンサルタントを雇ったとも報じられた

 RWDSUは同日、「この投票を腐敗させたAmazonの行為に対する包括的な調査を求める」とツイートし、NLRBに申し立てを行うと発表した。NLRBには投票の再実行を命令する権限がある。


 Amazonでは2014年にもデラウェアで労組結成の動きがあったが、失敗に終わった。コロナ禍で需要が急増する中、Amazonは労働環境の厳しさを訴える従業員を解雇した一方、環境改善をアピールしている。

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