Googleアシスタントとより自然な会話が可能に BERT最新版搭載で
Googleアシスタントとの会話がより自然になる。自然言語処理モデル「BERT」の最新版搭載により、例えばアラームやタイマーの設定やキャンセルが改善される。
米Googleは4月28日(現地時間)、音声アシスタント「Googleアシスタント」の3つの改善を発表した。いずれも人間がアシスタントのために分かりやすい言い方を考えなくても、アシスタントに人間の意図を理解させ、自然な会話を成り立たせるのが目的だ。
アラームとタイマーの設定で途中の訂正に対応
例えば、「OK Google、5分の、あ、やっぱり9分のタイマーをセット」などと言うと、アシスタントはこれまでは「はい、『5分の、あ、やっぱり』という9分のタイマーをセットします。スタート」と対応していたが、改善後は「はい、9分のタイマーですね。スタート」と意図した通りに作動する。
また、10分のタイマーと20分のタイマーを続けてセットし、「2つ目のタイマーをキャンセル」と言うと、アシスタントはこれまでは「タイマーは2つあるようです。どちらをキャンセルしますか?」と聞いてきたが、改善後はどちらのことを言っているか理解し、「はい、キャンセルしました」と答える。
つまり、コンテキストをこれまでよりよく理解するようになる。この改善のために、アシスタントの自然言語理解(NLU)モデルを完全に再構築し、「参照の解決」を改善した。このアップグレードでは、最新のBERT((Bidirectional Encoder Representations from Transformers))を搭載した機械学習技術を採用した。BERTは2019年にGoogle検索で採用された自然言語処理モデル。おおまかに言うと、いくつかのキーワードを抜いた文を学習データセットにして機械語アルゴリズムを訓練し、アルゴリズムによる文脈の理解力を上げるというものだ。これにより、アシスタントはアラームとタイマーのタスクでほぼ100%正確に対応できるようになったという。
ただし、この改善はまずは米国の英語にのみ反映される。
より自然な会話が可能に
BERTの採用で、会話の質も向上したという。アシスタントはユーザーとの会話の流れと会話中にスマートフォンあるいはスマートディスプレイでユーザーが見ている画面から、ユーザーの質問が何についてのものかを理解する。
例えば、アシスタントにマイアミについて質問した後、「最高のビーチを見せて」と言うと、それが世界で最高、ではなく、マイアミで最高のビーチという意味だと理解し、適切に対応する。
連絡帳の名前の読み方を声で教えられる
日本語の場合は連絡帳に名前を登録する際によみがなを入力できるので不要だが、例えば英語の場合は同じスペルでも読み方が違う名前も多い。「○○に電話して」と言っても通じない問題を解消するため、連絡帳の登録画面に名前の読み方を音声で教える機能が追加される(まずは英語のみ)。
関連記事
- Googleアシスタント、「Voice Match」精度向上と“空耳”防止機能追加
Googleアシスタントの「OK Google」の聞き分け精度が上がる。「Voice Match」での声を再登録するとユーザーの聞き分け精度が上がり、英語ではウェイクワードの聞き間違い率を下げる調整が可能になる。 - Google、睡眠モニター機能つきスマートディスプレイ「Nest Hub(第2世代)」日本でも発売 1万1000円
Googleが3月に米国で発売したスマートディスプレイ「Nest Hub(第2世代)」を日本で5月5日に発売する。価格は先代より安い1万1000円。「Soli」センサーとマイクを使う「睡眠モニター」機能付きだ。 - Googleのスマートディスプレイ、ダークテーマを含む大幅アップデート
Googleアシスタント搭載スマートディスプレイ「Nest Hub」シリーズのUIがまもなくアップデートし、ダークテーマやめざましディスプレイに対応する。新たにタブに機能が分けられ、目的にアクセスしやすくなる。 - Google、複雑な会話型クエリでも意図をくんで答えるBERT採用検索を英語で開始
Googleは、注目の自然言語処理技術「BERT」を、まずは米国の英語検索で採用する。「ブラジルから米国への入国にはビザが必要?」のような会話型クエリを入力した場合、従来より欲しい答えが表示されるようになる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.