Facebookを独禁法でFTCと48州が提訴した裁判、連邦地裁が棄却
FTCと48州がFacebookを独禁法違反で提訴した裁判で、連邦地裁は両者の申し立ては法的に不十分として棄却した。ただし、FTCが主張の根拠を説明するよう訴状を修正すれば、裁判は継続する。
米連邦取引委員会(FTC)が48州の検事総長とともに米Facebookを独禁法違反で提訴した裁判で、コロンビア特別区連邦地裁は6月28日(現地時間)、両者の主張は法的に不十分とし、棄却した。
FTCは、FacebookがInstagramやWhatsAppなど、将来競合する恐れのある新興企業を買収して競争を阻害したと主張し、両社の売却を要求していた。
判決文には「裁判所はFacebookの主張のすべてに同意するわけではないが、FTCらの申し当ては法的に不十分であり、却下せざるを得ない」とある。「FTCの申し立ては、Facebookが実際にどれだけの力を持っているかという重要な問題について具体的なことをほとんど説明していない」
だが、連邦地裁はFTCが主張の弱点を解消できる可能性があると認め、訴状を修正することで訴訟を続ける可能性を残した。FTCは7月29日までに新たな訴状を提出できる。
48州による訴訟については、Instagramの買収は2012年、WhatsAppの買収は2014年のことであり、訴訟を起こすまでにあまりにも時間がたっているため、「Facebookが競合するアプリとの相互運用性を妨げるという州の申し立ては成り立たない」として完全に棄却した。
Facebookは米CNBCなどに対し、「今日の判決がFacebookに対する当局の申し立ての欠陥を認めたことを嬉しく思う。われわれは、人々の時間と注目を獲得するために毎日公平に競争しており、今後もわれわれのサービスを利用する人々と企業にすばらしい製品を提供し続ける」と語った。
関連記事
- Facebookを米FTCと46州が独禁法違反で提訴
FacebookのInstagramとWhatsAppの買収は独禁法に違反する疑いがあるとして、米連邦取引委員会と米国の46の州とワシントンD.C.、グアムの司法長官が、Facebookを提訴した。Facebookは法廷で争う姿勢を示した。 - IT大手規制論者のリナ・カーン氏、FTC委員長に
IT大手規制論者として知られるリナ・カーン氏(32)が米連邦取引委員会(FTC)の委員長に就任した。カーン氏は「企業の横暴から国民を守ることを楽しみにしている」と語った。 - 米下院司法委員会、GAFA規制の5法案を提出 企業分割や買収規制
16カ月にわたってGoogle、Apple、Facebook、Amazonを調査してきた米下院司法委員会が、これらのIT大手を規制する5本の法案を発表した。成立すれば、App Storeのルール見直しやGoogleによるYouTube売却を強いる可能性がある。 - 米連邦取引委員会、GAFA+Mに独禁法関連報告を要請
米連邦取引委員会(FTC)がAlphabet(傘下のGoogleを含む)、Amazon.com、Apple、Facebook、Microsoftに対し、2020年以降に行ったすべての買収に関する情報の提出を要求した。報告に基づいて、買収が競争上の懸念を引き起こしていないかなどについて調査する計画。 - FacebookへのFTCの制裁金は過去最高の50億ドル 「プライバシーの新たな枠組みを構築する」とCEO
米連邦取引委員会(FTC)はFacebookのプライバシー保護問題に関する調査の結果、過去最高の50億ドルの制裁金支払いと独立取締役によるプライバシー委員会の設置を命じた。ザッカーバーグCEOは「Facebookはプライバイシーで業界の手本になる」と語った。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.