FacebookへのFTCの制裁金は過去最高の50億ドル 「プライバシーの新たな枠組みを構築する」とCEO
米連邦取引委員会(FTC)はFacebookのプライバシー保護問題に関する調査の結果、過去最高の50億ドルの制裁金支払いと独立取締役によるプライバシー委員会の設置を命じた。ザッカーバーグCEOは「Facebookはプライバイシーで業界の手本になる」と語った。
米連邦取引委員会(FTC)は7月24日(現地時間)、個人情報管理問題の調査の結果、米Facebookに50億ドル(約5400億円)の制裁金を科すと発表した。プライバシー問題に関連する制裁金としてはFTCとして過去最高額になる。
FTCは今後も、Facebookの個人情報管理体制の改善などについて、同社の監査を続けているとしている。また、独立取締役によるプライバシー委員会の設置も命令した。
FTCのジョー・サイモンズ会長は発表文で「この取り決めは、将来の違反を罰するだけでなく、Facebookのプライバシー文化全体を改革し、継続的に違反の可能性を減らすことが目的だ」と語った。
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは同日、全社会議でFTCとのこの和解について説明。同社がその発言を発表文として公開した。
ザッカーバーグ氏は「FTCとの合意により、われわれの仕事へのアプローチに根本的な改革が必要になる。あらゆるレベルで製品を構築する人々に新たな責務が加わる。プライバシーについて、従来とは異なる規模で取り組む必要がある」と語った。
「この合意で求められる説明責任は現行の米国の法律をはるかに超えており、Facebookは業界の手本になるだろう。今後は、プライバシー管理の取り組みと、財務管理の取り組みを並行して行う」(ザッカーバーグ氏)
FTCの調査は、2018年3月、約8700万人のユーザーデータが英Cambridge Analyticaに流出した直後に開始されたもの。FTCのプレスリリースには、2012年の和解以降も改善されなかったFacebookのプライバシー保護の問題が列記されている。
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