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宇宙旅行にオンライン参加? JAXAとANAグループが「遠隔宇宙旅行」の開発に着手
JAXAとavatarinが、ロボットの遠隔操作技術を使った宇宙ビジネスの実現に向けて活動を始めた。国際宇宙ステーション(ISS)にあるロボットを地上から遠隔操作させることで、宇宙空間に滞在しているような体験を提供する。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)とANA発のスタートアップ企業avatarin(東京都中央区)は7月16日、ロボットの遠隔操作技術を使った宇宙ビジネスの実現に向けて活動を始めたと発表した。国際宇宙ステーション(ISS)にあるロボットを地上から遠隔操作させることで、宇宙空間に滞在しているような体験を提供するという。
ISS内にavatarinのコミュニケーションロボット「space avatar」を載せ、地上からアクセス。ロボットで宇宙空間内を移動できる体験サービスを目指す。すでにロボットのプロトタイプはISSの日本実験棟「きぼう」に搭載しており、JAXA外の地上からの操作は2020年11月に成功。今後は東京大学大学院工学系研究科の協力も得て、無重力空間のISS内を遠隔操作で自由に移動できるロボットを開発する。
他にも、宇宙船の中から遠隔操作で船外の作業ができる腕型ロボットや、種子島宇宙センター宇宙科学技術館などのJAXA関連施設をオンライン見学できるサービスなどを開発するとしている。
avatarinは20年4月に設立したANAグループのスタートアップ企業。遠隔操作できるロボット「newme」を通して、newmeが置かれた各地のイベントや会議などに遠隔参加できるプラットフォーム「avatarin」を提供している。
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