ARヘッドセット「Magic Leap 2」公開、2022年発売へ 法人向けとして業界最小・最軽量うたう
AR(拡張現実)ヘッドセットなどを手掛ける米Magic Leapが新型ARヘッドセット「Magic Leap 2」の外観を公開。スペックや価格などは明かされていないが、旧モデルより約20%軽く、視野が2倍広くなっているという。法人での利用を想定する。
AR(拡張現実)ヘッドセットなどを手掛ける米Magic Leapは10月11日(現地時間)、新型ARヘッドセット「Magic Leap 2」の外観を発表した。メガネのような形をしており、装着すると現実空間に情報表示を加えたAR空間を体験できるという。価格などは発表されていないが、2022年の発売を目指す。
同社は2010年に創業。長い間沈黙を守ってきたが、MagicLeap 2の前身に当たる「Magic Leap 1」を2017年に発表。2018年には2295ドル(当時で約25万円)で開発者向けに販売を始めた。2019年にはNTTドコモがMagic Leapと資本業務提携を結び、国内での取り扱いをスタート。サンリオと共同でMagic Leap 1を使ったアトラクションを「サンリオピューロランド」に設置するなど活用を模索していた。
今回公開したのは外観のみでスペックなどは不明だが、旧モデルと比べてスリムなデザインを採用。企業向けARデバイスとしては「業界最小かつ最軽量」としており、明るい照明下でも使用できる調光機能を備える。
米テックメディア「Protocol」が21年4月に掲載した同社CEOのペギー・ジョンソン氏へのインタビュー記事によると、MagicLeap 2の重さは旧モデル(ヘッドセット部で約316g)より約20%軽く、サイズは半分、視野は2倍広くなるという。公開した画像からは、縦方向の視野角が広くなっているのが分かる。
同社はMagic Leap 2の外観披露と併せて、約5億ドルの調達を発表。財務基盤を強化することでMagic Leap 2の展開と、ARソリューションの提供に注力する。法人利用をターゲットにしており、ヘルスケアや製造業、公共部門などでの採用を目指す。すでに、英Ericssonは工場の作業プロセス改善に使用しており、米Farmers Insuranceは新入社員のリモート研修で活用しているという。
一方で、Magic LeapのAR技術をコンシューマー市場に展開するために、技術ライセンス供与を複数の企業から依頼されていると明かしている。同社では、法人市場での地位と革新性を高めることができるのであれば、こうした機会を積極的に追求したいとしている。
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