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メタバースを声高にうたわなくてもGoogleは静かに進むGoogleさん(2/2 ページ)

Meta(Facebook)の「メタバース」宣言に続いてMicrosoft、Niantic、Unity、Qualcommなどが一斉にこのバズワードを掲げる中、VRもARも手掛けてきたGoogleの動きは?

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 Googleさんは、Niantic派でしょう。なにしろソーシャルは昔から苦手分野。「世界中の人々をつなげる」とかはMetaにまかせておけばいいのです。それに、VRは白昼夢のように消えてしまったし。

 GoogleさんのAR関連技術は、実は結構すごいんです。なんせ2012年には「Project Glass」でARメガネを発表した古参です(あれ、まだ企業向けとして続いています)。

 glass
Google Glassは生きています

 Googleのハードウェア責任者、リック・オステルローさんは8月にオリジナルSoC「Tensor」を紹介した際、Business Insider(リンク先は要購読)のインタビューで、「GoogleはARデバイスに関しては他のIT大手より多くの経験を持っている。Google Glassは高価格で機能もまだまだでプライバシーの懸念も高まっちゃったから成功しなかった」けど、5Gでネットワークが速くなったしAIも高度になってきたこともあって、スマートグラスのようなハードウェアは長期的には「非常に役立つ」と語りました。

 Googleは昨年、恥ずかしくないスマートグラスを手掛けるカナダのNorthを買収してます。

 north
Northのスマートグラス(左)とその画面(右)

 これにTensorチップを搭載すれば、今スマートフォンのGoogleマップでできているARナビ「ライブビュー」がそのまま使えるでしょう。ARメガネ版なら歩きながらライブビューが使えるはず。

 liveview
今のライブビューは歩きながらは表示できません

 Pixel 6で使えている「Google Lens」のリアルタイム翻訳で目を向けた外国語の看板は自動的に日本語になり、使い方の分からない装置は「ねえGoogle、これはどうやって使うの?」と尋ねれば目の前の謎の装置に直接取説がオーバーラップして説明してくれる(後者はまだできません)。

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Google Lensで自動翻訳

 そういうのが、Googleさんのメタバースなんじゃないかと思います。人との交流にはあまり手を出さないのではないかと。なので、このまま「メタバース」というバズワードを使わずに、「ARで生活を便利にする」路線を進んでいくと思います。

 Metaによる発表は、なんだか「今度こそプラットフォームになって、AppleやGoogleに気を使わなくてすむようにしたい」という悲壮感が漂いますが、GoogleとAppleは少なくとも今はモバイルの基盤があるので、あわてて名乗り出ずに静かに準備を進めている気がします。

 来年になるか数年先になるか分かりませんが、Made by Googleの「Pixel Glass」の登場が楽しみです。

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