「ITエンジニアは転職した方が収入が増えるバグ」、数字からも明らかに 生涯年収に1000万円の差
転職の回数は、ITエンジニアの年収にどんな影響を与えるのか──転職サイトを運営するgroovesがこんな調査のデータを公開した。エンジニアは転職回数が増えるごとに給与が高くなる傾向があり、転職しない人と比べて生涯年収が1000万円近く変わるという。
転職の回数は、ITエンジニアの年収にどんな影響を与えるのか──ITエンジニアに特化した転職サイト「Forkwell」を運営するGrooves(東京都港区)が5月10日、こんな調査結果を公開した。データによると、エンジニアは転職回数が増えるごとに給与が高くなる傾向があり、転職しない人と比べて生涯年収が1000万円近く変わるという。
データは2022年4月時点でForkwellに登録していたエンジニア約1万人の情報を基に算出。転職回数に対する平均年収を年代別にまとめた。
例えば生涯で1回も転職をしないエンジニアの平均年収は20代前半で453万円、20代後半で463万円、30代前半で528万円、30代後半で579万円、40代前半で662万円、40代後半で680万円だった。
しかし生涯で4回以上転職するエンジニアの場合、20代前半では425万円と転職しない場合を下回るものの、20代後半の時点では631万、30代前半で686万円、30代後半で685万円、40代前半で727万円、40代後半で729万円と上回った。転職を生涯に1回だけする場合、2回する場合、3回する場合の平均年収も算出したが、20代前半を除くどの年代でも4回以上転職するエンジニアの方が年収が高かった。
転職するエンジニアとそうでないエンジニアの生涯年収も比較。20代前半のエンジニアが5年に1回転職した場合、1回も転職しないエンジニアと比べ、20代後半の時点で23万円、30代前半で49万円、30代後半で83万円ほど年収が増え、生涯年収に1000万円近い差が出ることが分かった。ただし40代後半以降は年収差が収束するという。
Groovesはこのデータに対し「エンジニア間では『自社内で昇給を頑張るよりも、転職した方が昇給できるバグがある』という話題がSNSで定期的に出るが、まさにその実態を示す結果になった」とコメント。エンジニアを雇用する企業に対しては、給与の見直しや転職せずともキャリアアップできる環境を整えることの必要性を呼び掛けている。
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