メルカリ、クレカ不正利用とフィッシング詐欺の補償額は32億円に 対策強化で正常化見込む
メルカリは、クレジットカードの不正利用とフィッシング詐欺の影響で、2022年1月から6月までの半年間で32億円を補償したと発表した。
メルカリは8月8日、クレジットカードの不正利用とフィッシング詐欺の影響で、2022年1月から6月までの半年間で32億円を補償したと発表した。2022年6月期の連結決算にて明らかにしたもので、同社は複数の対策をすでに実施済み。不正利用が急増した2022年上半期以前の状態への回復を目指す。
同社は、2022年6月期の第3四半期決算において、メルカリアプリでのクレジットカードの不正利用と、メルペイでのフィッシング詐欺の増加により、16億円の追加出費があったことを明かしていた。今回、第4四半期でもクレジットカード不正利用で13億円、フィッシング詐欺で3億円と計16億円をユーザーに補償しており、下期を合計すると32億円に上る。なお、通期での影響額は開示していないものの、不正利用の大半は下期に集中しているという。
不正利用対策として同社は、クレジットカードの本人認証「EMV 3Dセキュア」をiOSだけでなく、Android版でも実装した他、グループ横断の不正対策専門部署を設置。メルペイでのフィッシング詐欺を防止すべく、SMS認証を強化したという。また、同業他社とのコミュニケーションも行い、EMV 3Dセキュアの導入経験の共有や、フィッシングを業界横断で防止する意見交換会も実施したとしている。
こうした対策により、2023年6月期の上期は被害額が減少しており、下期には正常化を予定。経営に与えるインパクトは限定的になるとしている。なお、メルペイへの不正利用に対する保険金として5億円を計上。第4四半期の営業損益に2億円プラスの影響があるという。
メルカリの2022年6月期連結決算は、売上高が約1470億円(前年同期比38.6%)、営業損益が約37億円の赤字(同89億円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は約76億円の赤字(同121億円減)となった。ただし、第4四半期は投資の厳選化と、コスト削減により9億円の営業黒字を達成している。
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