「クレカ不正利用やフィッシング対策は最優先」 メルカリ、プライム市場移行で不正対策強調 “16億円追加出費”のその後
クレジットカードの不正利用などで、ユーザーへの補填金として2022年1月〜22年3月に計16億円の出費があったメルカリ。同社による不正対策は、今後どうなっていくのか。
「クレジットカードの不正利用やフィッシング詐欺は最優先の課題。2021年後半からの対策により、不正の件数は抑えられていると考えている。今後もさらなる攻撃を予測して追加の改善策を講じていく」
メルカリグループの日本事業責任者である青柳直樹上級執行役員は6月7日、メルカリが上場先をマザーズからプライム市場に移行したことに伴う会見で、フリマアプリ「メルカリ」などの不正利用対策についてこう説明した。ただし、今後展開する施策の具体的な内容については「攻撃者が聞いている可能性に備え、具体的な内容は控える」(青柳役員)として詳細を伏せた。
メルカリ社のサービスでは21年末からフィッシング詐欺などが相次いでおり、発生流通取引総額(GMV)の成長に悪影響が出ている。2022年6月期第3四半期連結決算(21年7月〜22年3月)の決算資料によれば、ユーザーへの補填金として第3四半期(22年1月〜3月)のみで16億円の出費があったという。
青柳役員は一連の動向に対し、不正が増え始めた21年末当初から対策を進めてきたと説明。例えば同年には、新しい本人認証システムを導入した他、機械学習を活用して不正利用を抑える取り組みを強化した。22年に入ってからは、専任の対策チームの体制も強化し、不正の減少につなげたという。
ただし、補填費用の抑制には時間がかかる見通しだ。青柳役員は、対策の効果が補填費用の抑制につながるまでに、最大で半年程度かかると説明。そのため補填費用は22年6月期第4四半期(22年4月〜6月)も第3四半期と同水準になる見込みだ。23年度6月期第1四半期(22年7月〜9月)以降は、不正関連の費用が減っていく見通しという。
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